東大阪市でサービス付き高齢者向け住宅を運営するエクレアジャパンケア(大阪府八尾市)。前山直輝社長は元俳優・ビジュアル系バンドのボーカルという変わった経歴の持ち主だ。介護参入の理由などについて話を聞いた。

 

ユニフォーム姿の前山社長
カジュアルな雰囲気が特徴

 

 

 

 

――介護事業を始めた経緯を聞かせて下さい。

前山 私は今42歳ですが、19歳まで俳優として活動していました。またX-JAPANに憧れてビジュアル系バンドを結成しボーカルをしていました。

一方で、20歳から通信関係、自動車関係、家具の製造・販売など様々な事業を行いました。次亜塩素酸水の製造・販売事業をする中で医療・介護業界とつながりができ、「自分でも介護事業所を経営してみたい」と考えました。

2013年にエクレアジャパンケアを設立し、翌年に30室のサ高住「かがやき東大阪」を開設しています。訪問介護事業所を併設しており、入居費用は1人用居室の場合、食費込みで月10万8900円です。

 

 

――運営面で特徴はありますか。

前山 スタッフのユニフォームです。一般的には介護事業所のユニフォームは社名や事業所名が入ったポロシャツにチノパンという、「一目で介護職とわかるもの」が用いられています。
しかし、そうしたユニフォームですと、利用者の中には、「買い物に同行してもらったときなどに、介護サービスを受けていることを周囲に知られてしまうので恥ずかしい」と思う人もいます。

 

当社のユニフォームは、上はオリジナルデザインのTシャツです。仕事以外のときでも着用しているスタッフがいるほど、おしゃれなデザインです。また、下はジーンズでも構いません。この普段着に近いスタイルならば、買物同行をしていても、周囲は「子どもや孫と一緒に買い物に来た」としか思いません。

 

 

 

――このほかに特徴はありますか。

前山 施設長はかつての私の音楽仲間で、バンドでボーカルをしていました。そのキャリアを活かし、2人で一緒にホームで音楽セッションを行なったりしています。

 

 

旬の青果など 社長からプレゼント

 

――人材採用などの面で工夫していることは。

前山 昨年は離職者ゼロを達成しました。算定できる加算はなるべく算定して、それをスタッフに還元するなど、処遇改善には日頃から力を入れています。

また「プチサプライズ」も好評です。例えば、青果卸業をしている知人がいますので、年に数回程度ですが旬の野菜や果物などを大量に仕入れ、スタッフに無料でプレゼントしたりしています。

 

しかし、どれだけ処遇を改善したとしても、家庭の事情や病気などが原因での離職は避けられません。介護事業所数が多い東大阪市での新規採用は非常に難しいものがあり、大きな悩みとなっています。

 

 

 

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