1100以上の応募から 好事例を紹介
一般社団法人日本デイサービス協会(東京都千代田区)は3月16日、「2022年デイサービス5選」に選ばれた事業所を発表した。全国1191事業者から選出された5事業所が、それぞれの取り組みを紹介した。
デイサービス5選は、これからの時代に即した新たなデイのロールモデルとして、好事例の収集、発信を目的に実施するもの。
昨年12月、エントリーシートに基づく1次審査で16事業所を選定。続く今年1月、プレゼンによる2次審査で、5事業所が選ばれた。
事業所は次の通り。
①池田介護研究所「無添加お弁当二重まる一番町」
②ウェルフューチャー「ブルーミングラボ小田原浜町」
③ベストリハ「ベストリハ板橋大山」
④ワイズ・スポーツ&エンターテイメント「ワイズパーク」
⑤タブノキ「みんなの家タブノキ」

5事業所がそれぞれの取り組みを紹介
①は19年8月開設の共生型デイ。利用者がデイ併設の店舗で弁当や漬物販売、カフェで接客などの仕事をする点が特徴だ。利用者の生きがいにつながっており、地域との自然な交流も生み出している。
②は、今後、介護保険の自己負担が高まることを想定し、低負担でデイを利用可能とする方法を摸索。有償ボランティアや、地元飲食店の軽作業を引き受け、利用者が仕事を行う取り組みを実施した。収入は利用者に還元することでデイの利用負担を軽減する仕組みだ。
③は計画書作成支援システム「はやまる」、PHR(パーソル・ヘルス・レコード)管理を行うシステム「ヘルプケア」の2つを活用した、科学的介護の実践状況を具体的に紹介。各種IoT機器とシステムが連携することで、エビデンスに基づくケアの実践が可能となった。
④はトレーナー派遣などでスポーツチームを支援してきた知見をデイのプログラムに活かし、個人に最適化した運動プランを提案。加えて、元劇団員による、オリジナルの体操プログラムを提供している。
⑤は古民家を改装した共生型のデイ。地域のつどい場としての機能を持ち、そこに集まった人々が協力して施設のDIYや仕事を行うなど、参加者全員で「つくる」デイであることを紹介した。
総括として、田中紀雄副理事長は、「現在、デイは幅広い役目を求められている。今回の5つの事例は、それを十分に満たす取り組みであった」と語った。