2月3日、訪問看護のリカバリーインターナショナル(東京都新宿区)が2022年の第1号として東証マザーズに上場した。公開価格の3060円に及ばず初値は2640円。その年の第1号上場が公募割れとなるのは97年以降初めて。厳しい船出となった大河原俊社長に話を聞いた。

 

 

リカバリーインターナショナル
大河原俊社長

 

 

 

──法人の概要を教えてください

大河原 訪問看護事業所を2013年に設立し、現在は東京を中心に兵庫・高知・沖縄で18拠点展開している。22年12月期中にあと1拠点増やす計画だ。

従業員は昨年末時点で163名だったが、4月には看護師や理学療法士など一気に31名を採用し、総勢約200名となる。

 

 

──訪問看護専業の上場はまだまだ珍しい。上場を目指したきっかけは

大河原 大きなきっかけは2つある。まずは設立2年目、当社従業員が住宅ローンを組めなかったこと。「訪問看護の株式会社」は当時まだまだ社会的認知が低く信用が得られなかった。さらに、当社に転職が決まっていた看護師が家族の反対で辞退し、病院に就職してしまった。

「訪問看護」の仕事・事業内容をもっと世間に理解してもらい、安心して働ける会社にしなければいくらやりがいのある素晴らしい仕事であっても仲間は集まらない。上場して社会的認知度を高める必要があると強く感じた。

 

もう一つは、上場し訪問看護の周知・サービスの普及が進むことで、「介護離職」「ヤングケアラー」といった社会問題の解決にも繋がるということがある。

介護のために仕事を辞めて「24時間自分で面倒を見なければ」と考える人は少なくない。訪問看護や介護をうまく利用することで、仕事を辞めたり学業に支障をきたしたりすることを少しでも減らすことができればと考えている。

 

 

自社サイト・SNSで採用強化

 

 

──看護師の採用はどこも厳しく、人材紹介会社の依存度が高い

大河原 当社も紹介会社経由が約80%となっており比重が大きい。ホームページやSNSからの応募、リファラル採用を増やしまずはこれを65%まで下げていきたい。

ホームページには訪問看護の仕事をわかりやすく解説する記事をスタッフ自ら書いたり、SNSの更新頻度を上げたりすることで効果は少しずつ現れ始めている。当社の採用ターゲットである20~30代にリーチするためにはSNS活用は不可欠だ。

 

 

──公開日は公募割れの厳しい評価だった。どう見ているか

大河原 上場前のロードショーでは多くの機関投資家と対話の機会があったが、訪問看護の事業性・収益性についてはまだまだ理解が進んでいないという気がした。今後はIRなどでしっかりと価値を訴求していかなければならない。

 

在宅サービスが市場でも社会でももっと評価されるようにならなければ、地域包括ケアの実現は難しいのではないか。さらには訪問看護という仕事の魅力を周知させ、潜在看護師を呼び戻すなど圧倒的に不足する訪問看護師を増やしていく必要がある。

 

 

2月3日にマザーズに上場

 

 

──上場したからには成長が求められる。今後展望を

大河原 直近21年12月期は売上高11億2200万円(前年比+46・5%)、営業利益は1億4500万円だった。今期は4拠点増やし、売上高15億円台へ、来期はさらに7拠点増やし売上高21億円台を計画している。

 

展開としては既存拠点の近くでドミナント出店していく。管理職となるスタッフの教育に注力しており、現在でも週1回「リーダー研修」を実施。財務諸表の理解からコーチング・面談スキル向上、コンプライアンスなど研修内容は多岐にわたる。管理職の育成は今後の展開においても最重要テーマだ。

また、訪問看護は開業も多ければ廃業・休止も同じくらいある。当社が蓄積したノウハウを生かした経営支援やフランチャイズ展開なども検討していきたい。

 

 

 

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