第11回オールジャパンケアコンテスト

 

3月20日、介護職員の技術を競う「オールジャパンケアコンテスト」(主管:社会福祉法人こうほうえん、SOMPOケア、やさしい手、東京ロイヤル)の第11回目大会表彰式が開催された。

 

コロナ禍のため動画を応募する方式で実施された今大会では、全国から68本の投稿があった。「認知症」「看取り」「食事」の3分野における優秀賞が発表された。

 

 

大会は、ケア技術の向上などを目的に実施されている。

 

認知症部門の優秀賞は、社会福祉法人やず「小規模多機能居宅介護きたやま」の垣田光慶氏が獲得した。

 

設定された課題は、「78歳要介護2の女性で、アルツハイマー型認知症により見当識障害、記憶障害がある。入浴援助のために声をかけたが、不安そうな様子。女性を演じる人と5分間適切なコミュニケーションをとる」というもの。

 

動画で垣田氏は、「ここは私の家じゃない。家に帰る」という女性役に対して、「どんな家ですか。教えてください」と、相手の話を否定せずに傾聴。「古い家で、五右衛門風呂があった」という会話をキーワードに、「では、私が薪をくべますので、お風呂にはいりませんか」と入浴へつなげた。

 

 

看取り部門は、社会福祉法人博愛会「介護老人福祉施設博愛苑」の森下博之氏に決定。

 

「86歳要介護3の男性。医師の診たてで余命2ヵ月。『背中が痛い』とナースコールがあった。男性役に対して、支援を提供する」という課題であった。

 

実演では、「背中が痛い」という男性役の背中をさすりながら、「クッションを用意しましょうか」と提案。様子が落ち着いた後、家族の話や誕生日が近いことなどの会話で、気持ちが前向きになるように配慮した。

 

 

食事部門の優秀賞は社会福祉法人こうほうえん「認知症対応型デイサービスセンターいしい」の炭谷優氏。

 

「85歳要介護2で、左半身麻痺、身体の傾きやむせがある。摂食量が減少傾向。水分摂取も好まない。おやつと水分摂取を支援する」という課題が設定された。

 

炭谷氏は手指消毒の後、「まず口の中を湿らせたいので、一口飲んでいただきたいです」とお茶を差し出す。そして、目線を合わせてタイミングよくおやつのカステラを手渡した。途中で水分摂取を促す声掛けをし、少しでも多く水分を飲んでもらうようにした。

 

 

講評で審査員は、「『今、目の前の人に幸せになってもらうには』を考えている点が非常に良かった」とコメントした。

 

 

 

 

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