厚生労働省は3月31日付で、「介護保険施設等の指導監督について(通知)」等を発出しました。
主な改正内容は以下のとおりです。

 

 

介護保険施設等指導指針の主な見直しの内容

■実地指導について指導形態を①介護サービスの実施状況指導、②最低基準等運営体制指導、③報酬請求指導とする。

 

上記のうち、施設・設備や利用者等の状況以外の実地でなくても確認できる内容(②・③)については、介護保険施設等の負担増にならないよう十分配慮し、情報セキュリティの確保を前提として、オンライン会議システム等を活用することが可能である旨を明記する。なお、これにより実地指導の名称を「運営指導」に改める。

 

 

■運営指導の実施頻度については、原則指定等の有効期間(6年)内に少なくとも1回以上とする。なお、施設サービス・居住系サービスについては、現行での実施状況等を踏まえ3年に1回以上の頻度で実施することが望ましいこととする。

 

 

■運営指導の標準化・効率化を推進する観点から、以下について明記する。
○標準的な確認すべき項目・文書による実施
○標準化・効率化により所要時間を短縮
○同一所在地や関連する法律に基づく指導・監査の同時実施
○確認する書類等の対象期間の限定
○電磁的記録により管理されている書類等のディスプレイ上での内容確認
○事務受託法人の活用

 

 

また、厚生労働省は3月31日付で、「介護保険施設等運営指導マニュアル」も公表しました。今回のマニュアルでは以下のような記述が盛り込まれました。

 

 

運営指導を行う側として留意すべき事項

 

1.指導担当者の態度
運営指導において、相手方に対して高圧的ととられる態度・言葉遣いは許されません。また、その権限に基づく行政指導についても、相手方の任意の協力に基づき行うものであり、そのような態度は行政機関としての信頼性を著しく欠く要因ともなります。

 

2.運営指導の在り方
これまで述べてきたように、運営指導はあくまでも行政指導であるため、改善が必要な事項に対する指導や、より良いケア等を促す助言等については、介護保険施設等との共通認識が得られるよう留意する必要があります。また、個々の指導内容については、具体的な状況や理由を聴取した上で、根拠規定やその趣旨・目的等について懇切丁寧な説明を行います。

 

その中で、適正な事業運営等に関し効果的な取り組みを行っている介護保険施設等については、積極的に評価し、他の介護保険施設等へも紹介する等、介護サービスの質の向上に向けた指導を行います。

 

 

3.根拠に基づく運営指導の実施
行政指導には明確な根拠が必要であり、行政側担当職員の主観に基づく指導は排除されなければなりません。また、当該介護保険施設等に対する前回の指導内容と、根拠なく大きく異なる指導は行わないことも重要です。

 

 

4.時間を守る
運営指導に費やす時間は、基本的には相手方の日中の通常の勤務時間に合わせます。例えば相手方が要因で確認項目の確認が終わらなくても、それを理由に相手方に時間外勤務を強いることはできません。

 

 

5.介護保険施設等の出席者
運営指導における介護保険施設等の出席者については、必ずしも当該介護保険施設等の管理者に限定することなく、実情に詳しい従業者や介護保険施設等を経営する法人の労務・会計等の担当者(業務委託している場合も含む)が同席することは差し支えありません。

 

 

◆ ◆ ◆

 

本来、指導監査については、令和4年3月「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議資料」にも明記されている通り、適時適切な実施が求められます。

 

「集団指導」「運営指導」を受ける施設等においても「日頃の人員配置基準・運営基準・設備基準等の法令遵守体制を評価頂くよい機会」と捉え、法人全体で前向きにご対応頂ければ幸いです。

 

 

伊藤亜記氏
㈱ねこの手 代表

介護コンサルタント。短大卒業後、出版会社へ入社。祖父母の介護と看取りの経験を機に98年、介護福祉士を取得。以後、老人保健施設で介護職を経験し、ケアハウスで介護相談員兼施設長代行、大手介護関連会社の支店長を経て、「ねこの手」を設立。

 

 

 

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