携帯電話の普及までは列ができるほど利用されていた公衆電話。今では、疎遠になった人も多くいるが、しっかり存在している。設置場所は、NTT東日本のホームページ「公衆電話をさがす」で知ることができる。
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緊急時は左下のSOS(赤い)のボタンを押す
公衆電話の特徴の一つは、緊急時にも利用できることだ。
正面左下に赤いボタンのあるタイプでは、受話器を取り「ツー」という音が聞こえたら、赤いボタンを押し、110(警察への事件・事故)、118(海上の事故・事件)、119(家事・救助・救急車)のどれかを押す。赤いボタンのないタイプでは、受話器を取り「ツー」音の後に、110、118、119のどれかを選択して押す。地震などの災害発生時に被災地への通話がつながりにくくなった場合、利用できるサービス災害用伝言ダイヤル171を押す。
これらはお金やカードが必要なく利用できる。また、災害時に他の電話よりもつながりやすい、停電時でも使えるといった特徴も覚えておくと良い。使えるコインは、10円と100円。一度に10円玉5枚、100円玉4枚まで入れることができる。
目の不自由な人が使うために、数字ボタン(10キー)0~9のうち「5」にだけ小さな凸点がついている。凸点が5とわかると、上が「2」、下が「8」、右が「6」というように、5が基点となって、他の数字わかる。

「5」にだけ凸点がついている
プリペイドカードも、種類や表裏、前後が切り欠きの形の違いで区別でき、電話(半円)、交通(三角)、買い物(四角)の用途が触ってわかる工夫がある。
聴覚障害者が手話や文字通訳者を通じ、聴者と話せる仕組みが電話リレーサービス、空港などに専用機器があり、昨年7月から正式に始まった。自分の周りのどこに公衆電話があるか、確認していただけたらと思う。
星川 安之氏(ほしかわ やすゆき)
公益財団法人共用品推進機構 専務理事
年齢の高低、障害の有無に関わらず、より多くの人が使える製品・サービスを、「共用品・共用サービス」と名付け、その普及活動を、玩具からはじめ、多くの業界並びに海外にも普及活動を行っている。著書に「共用品という思想」岩波書店 後藤芳一・星川安之共著他多数