エレベーター・浴槽の設置など改修

 

病気や障害があることで生きる困難に直面している人とその家族のケアを目的に、1件の家(民家)で家族規模の住人がともに暮らし、その住人を介護スタッフや地域の医療連携チームが支えるのが「ホームホスピス」だ。一般社団法人全国ホームホスピス協会(宮崎市)によると、2021年9月1日時点で、全国で57ヵ所運営されている。

大阪市唯一のホームホスピス、旭区の「風の栞 高殿」の取り組み事例を紹介する。

 

 

 

開設は2018年12月。2戸の戸建てが一体化した住宅を、6つの居室と共用のキッチン・ダイニング・浴室・トイレを有する「住まい」へと改修した。

 

「浴室を潰してホームエレベーターを設け、別の場所に浴室を新たに設けるなど、新しい家を一軒立てるぐらいの改修費がかかりました」と語るのは運営するNPO法人風の栞の松澤ミサホ代表。

 

 

NPO 法人風の栞松澤ミサホ代表

 

 

1995年に大阪市社会福祉協議会にヘルパーとして採用されてから、高齢者介護・障害者福祉一筋。その間に宮崎市のホームホスピス「かあさんの家」の存在を知り「いつか自分でもやりたいと思っていた」と語る。定年退職後の2012年に、居宅介護支援事業所・訪問介護事業所を立ち上げた。

 

 

コロナ禍でも面会制限せず

 

「風の栞 高殿」に限らず、ホームホスピスの考えの基本は「施設ではなく家」ということ。利用者は「住人」と呼んでいる。

 

「家なので、家族や友人が訪ねて来るのも自由です。新型コロナウイルス感染症で、家族の面会をストップしていた高齢者住宅・施設も多いと思いますが、手指消毒の徹底や体温計測などの基本的な対策に加えて『1回当たり30分まで』『来訪者はフェイスガードを付ける』の条件で、面会を許可していました。看取りのために3日間泊まっていった家族もいます」

 

ただし、コロナ感染者発生を防がなくてはいけないのはどこも同じ。その分スタッフに対しては「自宅でもマスク着用」など感染予防を徹底させ、外部からのウイルス持ち込みを防いだ。

 

 

外観は全く普通の民家

 

 

 

住人1人ひとりにマニュアル

 

スタッフは、日中1~ 2 名が常駐するほか、調理専門のスタッフがおり、1名を除いて全員が介護福祉士有資格者。

 

介護保険サービスが必要な場合は松澤代表が運営する訪問介護事業所が対応することもできるが、それ以外のサービスは外部対応。訪問診療医や訪問看護師、訪問リハなどが日常的に「家」を訪れる。

住人の中にはパーキンソン病を患っている人もいるが、これらのサポートでほかの住人と共同生活を送る。もちろん看取りも可能だ。

 

 

少人数制であることの最大のメリットは「個別対応」が可能なこと。どこの介護事業所でも業務マニュアルは存在するが、ここでは「施設全体」ではなく、住人1人ひとりに個別対応マニュアルが作成される。例えば「発熱をした場合、この人に対してはどの様な対応をするか」などが決められているという。

 

 

 

 

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう