医療法人へ経営支援 経営管理機能も強化

 

北海道、東北、関東を中心に介護事業を展開する日本ヒューマンサポートグループは医療分野への事業拡大を進めている。昨年3月と今年2月に2つの医療法人との提携関係を構築した。グループ全体で介護と医療を密接に連携させ、総合的なヘルスケアサービスを提供できる体制構築を目指す。

 

 

久野義博社長

 

 

 

 

同グループは、日本ヒューマンサポート(埼玉県春日部市)を中核に、つくばアカデミー(茨城県筑西市)、あんしんケアホーム和光(北海道小樽市)、理想ケアサービス(同)、シリウスケアサービス(岩手県花巻市)、グランツ(同)、社会福祉法人博心会(埼玉県北葛飾郡杉戸町)などの法人から成る。

 

提携を結んだ先は、医療法人社団若杉会「東京人間ドッククリニック」(東京都荒川区)と、医療法人社団恵周会「白河病院」(福島県白河市)。

 

 

「東京人間ドッククリニック」は、最短50分、平均滞在時間1時間30分で人間ドックを実施可能であることが強みだ。加えて胃カメラ・胸部CT付のコースで6万円程度から検査を受けることができ、これまでの実施人数は3万人を超える。

 

人間ドックを通じ健康情報を発信するとともに、介護施設入居者やその家族への「未病対策」の役割も検討している。

 

「白河病院」は150床、従業員数は約300人。福島県県南地域で唯一、2次救急医療の役目を担い、地域最大規模の透析施設(65床)も運営している。

 

 

 

提携を結んだ医療法人社団恵周会「白河病院」

 

 

 

現行の体制を維持しつつ、日本ヒューマンサポートが経営支援を行い、グループ内の介護事業や人間ドックとの連携を模索していく。

同社ではそれに伴い昨年、法人内に新たに「医療連携室」を開設した。医療と介護は引き離せない関係にある。病院は高齢者が安心して元気に暮らすためのバックアップシステムとして重要な意味を持つ。一方で、「医介連携」の実践状況は地域によって濃淡がある。介護側の同社から積極的な行動を起こし、両者の連携による地域医療の深化を図る。

 

 

同グループ幹部は、「東京都、埼玉県、茨城県を中心とした広域関東圏半径200㎞で、医療・介護のエリア戦略を展開していく。また、人間ドッククリニックについては関東圏の交通利便性の高いターミナル駅などを中心に、複数のクリニックによる横展開を考えている」と語る。

 

 

一方、介護事業についても、着々と規模を拡大している。昨年4月、日立リアルエステートパートナーズ(茨城県日立市)より、グループ持ち株会社のヒューマンサポートホールディングス(東京都千代田区)が設立した、ヒューマンサポートライフひたち(茨城県日立市)にて介護事業13事業(14施設)、職員約300名を引き受けた。

 

これによりグループ全体(医療連携事業含む)は、81事業所、職員数約2000名、売上は150億円を超えた模様。

 

規模拡大に伴い経営管理機能も強化。昨年7月、東京都千代田区有楽町に東京事務所を開設した。人員募集や、他法人との連携を取りやすくすることが狙いだ。

 

同グループ幹部は、「今後のグループの経営資源は、介護はもちろんベースにしながらも、医療との連携にも注力していく」と語り、医療分野へ事業拡大を積極的に進めていく方針としている。

 

 

 

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