岡山県を中心に通所介護、訪問介護及び看護、居宅介護支援などを展開する創心會(岡山県倉敷市)は4月1日、住まいと泊り機能を核とした介護複合施設「創心会リハケアベース大安寺」(岡山市)を開設した。地域住民の介護ニーズにワンストップで対応可能な施設となっている。
同施設は、サービス付き高齢者向け住宅(20室)、看護小規模多機能型居宅介護(29名)、短期入所生活介護(33室)、通所介護(80名)からなる。サ高住と看多機は法人初の開設となった。
この施設により「住まい」「訪問」「通い」「泊り」機能が揃い、今まで以上に包括的なケアの提供が可能になったという。
例として、入院などを機に状態が悪化した人に対して、泊りを活用しながら、本人、家族の抱える生活課題を解消し、在宅生活へスムーズに戻れるように支援ができる。また、中重度の人への対応も可能となった。
泉伸也センター長は、「身体状況が変わっても、1つの施設で対応できるため、利用者にとって安心感につながります」と語る。

泉伸也センター長
施設には各種リハビリ機器を設置しているほか、介護職員全員に、リハビリ知識を習得させる社内制度(生活力デザイナー制度)により、リハビリの理論、高齢期の病理、生活環境に適応するための身体の使い方など、自立支援に強みを持つ。
デイサービスは、「百年煌ゾーン」を基本に、短時間で筋力向上や機能訓練を行う「元気デザインゾーン」、認知症が進んだ人向けに、回想法や畑作業など五感を刺激する活動を通じて機能の維持・向上を図る「五感リハビリゾーン」の3つに分けられている。それぞれの身体状況に合わせて選択が可能だ。
「ここでは、元気な人から要介護度が高い人まで、さまざまな人が居ます。そのため、『リハビリを頑張って、元気になったらこっちに移動する』といった、元気になっていくステップが示しやすい。リハビリのモチベーションにつながることが期待できます」(泉センター長)
今後、施設にクリニックを開設する予定で、より医療ニーズの高い人への対応も可能となる。同施設のような介護複合施設を、県内のほかのエリアでも展開していく構想もあるという。

スタッフはリハビリの知識を身に付ける研修を受けており、自立に向けた質の高い支援を提供できる