首都圏展開で売上200億円へ 長野拠点に107事業所
今年4月に東証スタンダード市場に上場したエフビー介護(長野県佐久市)。長野県を拠点に、訪問介護や福祉用具などの在宅系から有老などの施設系まで総合的な介護サービスを手掛け、利用者総数は約2万4000人に達する。現在、職員は1200人以上を有し、売上高は約93億円。5年後には首都圏への展開も視野に売上高200億円を目指す。
2000年から福祉用具事業を皮切りに、訪問介護や居宅介護支援事業所を手掛け、04年からは有料老人ホームなど施設系のサービスも開始し、現在はグループホーム、デイサービス、訪問看護、小規模多機能型居宅介護など計107の拠点を持つ(下図参照・22年5月時点)。海外でも介護事業を展開し、北京に合弁会社を設立している。
栁澤秀樹社長は「福祉用具事業を行うなかで、地域のニーズを洗い出すことができた。〝求められるものは全て応える〟信念のもと、声を拾い上げ、事業の多角化を推進していった」と語る。

栁澤秀樹社長
福祉用具事業において、福祉用具専門相談員は、営業、相談、納品、契約まで一貫専任制で行い、24時間365日対応が特徴。長野県佐久市・群馬県伊勢崎市の2拠点にて高速道路IC近隣に商品管理センターを設置し、仕入れた商品を各事業所へ迅速に配送する。在宅利用者に対するスピーディな納品を可能とするため、展開エリアは交通の利便性を加味し、長野を拠点に群馬・埼玉・栃木・新潟県内にてドミナント戦略を進める。
施設系サービスについては、有老の入居率が98%で推移している。「入居率を高めることを第一優先に運営をしてきたが、特にここ数年で中重度者向けのサービスを強化している。結果、利益率も向上した」(栁澤美穂副社長)。

栁澤美穂副社長
施設系の全事業所に看護師が在籍。平均要介護度が高いホームでは、看護師を5名配置し介護職員も喀痰吸引ができる体制を整える。GHにおいても機械浴を取り入れるなど、中重度者にも対応できるようハード面も整備している。また、年間約50名ほど看取りの対応も行う。
14ヵ所運営している小多機・看多機も高稼働を維持。包括支払いにするメリットなどを対象者やケアマネジャーに上手く伝えアプローチできるよう教育を進めてきた。
年3~5ヵ所新設 M&Aも積極的に
社内の教育に関しては、役職別や職種別などレベルに応じてスキルアップできるよう研修を組む。「今まで管理者などは売上のみに注目してきた。上場にあたり、『何をしたら売上が上がるか』『加算のニーズはあるか』といった売上の内訳にも目を向け、本部やエリア長がリードしながら教育を重ねている」(片岡将常務取締役)。
外国人人材も約30人採用し、現場での定着を図っている。また、昨年4月には職員210 名を正社員に登用。全体の70%を正社員とし、離職率が改善したという。
1987年に設立し、今年4月7日に東証スタンダード市場に上場した。公開価格1400円に対し、初値は1561円を付けている。
今後、5年間で売上を2倍以上に伸ばす計画。小多機や看多機、GHなど毎年3~5ヵ所の新規開設を進め、展開エリア内でのシェアを高めるとともに、首都圏への進出も視野に入れる。さらには障害者グループホームなど障害分野にも取り組む。積極的にM&Aも行っていく考えだ。
。時間日、在宅利用者へスピーディーに納品している。-e1655364093631.jpg)
伊勢崎営業所(福祉用具、居宅介護支援事業所、商品管理センター)
24時間365日、在宅利用者へスピーディーに納品している