ハートフルケア(兵庫県川西市)は、大阪府吹田市で運営するサービス付き高齢者向け住宅「ロイヤルホーム健都」の入居費用を大きく引き下げた。それと同時に、医療的ケアが必要な人やターミナル期の人の受け入れをこれまで以上に強化し、ナーシングホームとしての性格を強めていく考えだ。

 

 

利用者の大半 要介護3以上

「ロイヤルホーム健都」は2021年8月の開設で居室数は96。
ハートフルケアは現在北摂エリアを中心に8棟の高齢者住宅を運営しているが「健都」はその中でも2棟しかない24時間看護師常駐型。自社運営の訪問看護事業所が併設されている。

 

また、その名称にもあるように、JR岸辺駅前で「健康・医療のまちづくり」を旗印として開発が進められている「健都(北大阪健康医療都市)」のすぐ近くにあり、市立吹田市民病院、国立循環器病研究センターといった大病院まで徒歩5分という好立地。こうした環境から、これらの病院に通院していた、などの医療的ケアを必要とする人の入居ニーズが高く、原則として要介護3以上の人を受け入れている。

 

「ロイヤルホーム健都」外観パース(ホームページより)

 

 

今回の料金改定で大きく手を入れたのが食費。それまで1ヵ月5万5000円だったものを1万2000円と実に4分の1以下に引き下げた。「食事は外部の事業者が館内の厨房で調理しているのですが、当社から事業者に委託する費用だけを入居者からは受け取るようにします。食材費は全額当社で負担します」と武知昭施設長は語る。

 

小麦など食材の値上がり傾向が続く中での食材費自己負担化は経営に与える影響も少なくないが「メニューを工夫して食材ロスを減らすなど、企業努力で乗り切っていきます」とのこと。

 

 

24時間看護でも月額15万円台

 

この結果、家賃・共益費・介護支援費・食費の合計は1ヵ月12万9000円を実現。これに介護保険自己負担分、リネン代、水光熱費を加えても16万円前後と、公的年金に近い額での入居を可能とした。同社によれば、周辺の高齢者住宅の費用の相場は月20万円程度。価格面を大きなアピール材料として打ち出すことができる。

 

「これまでにも、見学に来た人などから『もう少し費用が安ければいいのに…』といった意見をもらうことがありました。そうした要望にも応えられると思います」。

 

また、介護保険の限度額がオーバーしそうな入居者に対しては、月3万円(税込)の定額で介護を行うサービスも新たに導入した。

 

 

介護スタッフの半分を看護師に

さらに、将来的には、身体介助や生活援助などの介護ヘルパーが担うことが多い業務についても看護師が担当することを検討しており、今後は「介護を行う看護師」を積極的に雇用・育成していく考えだ。

 

「全96室が満室になったときには、現場で働くスタッフは看護師と介護ヘルパーの数が同じ程度になるようなイメージで考えています」。

 

 

 

 

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