医療法人社団湘南健友会(神奈川県茅ヶ崎市)は5月、介護医療院「湘南の丘」を開設した。同法人が運営する長岡病院の新築移転に伴い、介護療養病棟を介護医療院に転換。茅ケ崎市初の介護医療院となる。

長岡病院と介護医療院湘南の丘
湘南の丘(56床)は、比較的重度の要介護者に対して医療ケアを提供するⅠ型。3階建てで、1階にはデイケア、3階には居宅介護支援事業所を併設。同じく3階にある地域交流スペースでは、壁一面に広がる窓から眺望が楽しめる。
敷地内に設けたガーデンは、ゴムチップを敷いた柔軟性のある道で歩行訓練ができる仕様。ここでは地域の人が訪れることができるようなイベントなども開催する予定。
併設する長岡病院の療養病床は、移転前までは医療療養病床166床、介護療養病床56床を有していた。このうち、介護療養病床を介護医療院に転換。
介護医療院は、同法人が21年まで運営していた介護老人保健施設の建物を改装し開設。在宅復帰率が重視されるようになった老健では、地域の慢性期の人のニーズを満たせないという考えからだ。
「地域で長らく慢性期の人のニーズに応えてきた法人として、今後もそうした人が長く暮らす場所を提供し続ける必要があると感じた」(長岡健介理事長)

長岡健介理事長
移転を機に病院と介護医療院、デイケア、居宅介護支援事業所が一体となったため、医療と介護の連携もスムーズになった。居宅介護支援事業所やデイケアが、病院利用の入口として機能することも見込む。「療養病床に特化して運営している当院にとっては、在宅の人とのつながりを作ることが非常に重要」
今後は、病院、介護施設ともに言語聴覚士の配置を厚くし、嚥下機能を向上させるケアに注力していくという。さらに、病床数が200床未満となったため、将来的に在宅医療も手掛けていく考え。