医療機関や介護施設のコンサルを行うMedical Management Consulting(大阪市/以下・MMC)は昨年、高齢者施設3棟を事業承継し、本格的に介護事業に参入。今年1月には、盛岡市でホスピス住宅「アンビシャスシティ菜園」をリニューアルオープンした。

安井浩倫代表取締役に詳しく聞いた。

 

安井浩倫代表取締役

 

 

一般賃貸住宅でホスピス

 

──介護事業に至った背景について。
安井 当社はハンズオン支援やコンサルティング、事業承継やM&A仲介を通じて、これまで医療機関や介護施設の運営に携わってきた。提携先は、北は北海道、南は沖縄まで全国20拠点あり、特に慢性期病棟の経営支援を強みとしている。

 

病院経営に携わるなかで近年課題となっていたのが、入院患者の在宅復帰。自宅療養ができる環境になく、行き場がないなどが理由で、それが叶わない事例が少なくなかった。医療現場はジレンマを抱えており、患者の受け皿となる施設の整備が必要であると感じた。病院経営と施設経営を両輪で走らせることができれば、地域をさらに俯瞰できるため、よりニーズに応えられる。

 

 

──事業承継した物件は。
安井 昨年9月に函館で1棟、10月には盛岡市で2棟の高齢者施設を事業承継した。これまで高齢者施設の運営サポートは手掛けてきたが、自社物件として運営するのはこれらが初めて。函館・盛岡ともに支援先の提携病院があるエリアのため、万全な医療体制を強みとしている。

函館ではサ高住を住宅型有老に切り替えてリニューアルオープンし、盛岡では高級老人ホーム「アンビシャスシティ志家」とホスピス住宅「アンビシャスシティ菜園」をリニューアルオープンした。ホスピスの運営は初めてで、新たな挑戦だ。

 

 

──ホスピスの特徴は。
安井 最大の特徴は、一般賃貸住宅としたこと。もともとサ高住だった館内の一部をリノベーションし、サテライトクリニックと訪問看護とデイサービスを併設した。終末期患者や難病患者が対象となっている。クリニックにはMRIやCTなどの高機能検査機器を揃えている。1月にリニューアルオープンし、現在は全20室満室だ。

 

 

──なぜ一般賃貸住宅としたのか。
安井 「在宅復帰」という課題と向き合った時、終末期患者や難病患者が心から安らげる住まいの整備が必要だと強く感じた。近年、ホスピスと位置付けられる高齢者施設は増えているが、サ高住や老人ホームだと良くも悪くも様々な制限がある。「コロナ禍でも自由に家族に会いたい」「好きな時にお酒を飲んでたばこも吸いたい」――。そんな患者や家族の思いを実現させるためには、制度の枠組みに捉われず、自由度の高い一般賃貸住宅がベストだと判断した。これまでにないホスピスのカタチをつくることで、新たな選択肢を示すことができるのではないか。

 

 

──今後について。
安井 まずは提携医療機関があるエリアにおいて、終末期・難病・障害・認知症といった幅広い地域ニーズに対応できるようサービスを拡充し、病院と施設の切れ目のないサポート体制を整えたい。年間4~5棟増のペースで拡大を目指す。

 

 

 

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