67日「経済財政運営と改革の基本方針2022」、いわゆる骨太方針2022が閣議決定されましたので、今回はその内容を論考したいと思います。

 

 

言うまでもなく骨太方針は政府の根幹的な政策方針であり、ここに記載されている中身については、必ず実現に向けた議論に着手されることは間違いのない大変重要な内容であります。

 

しかしながら、先に結論を申し上げると、今回の骨太方針は7月に行われる予定の参議院議員選挙の直前であり、政権支持の得られにくい表現は避けられております。社会保障・介護報酬の抑制につながる項目は限定的となっており、総論的な記述が目立っています。

 

その中でも、介護事業者に影響が生じる記述についていくつか確認していきたいと思います。

 

 

まず、今回の骨太方針の策定にあたり最大の論点であったのは「財政健全化目標」に対する書きぶりについてです。積極財政派と財政規律派との駆け引きの結果、これまで継続して記述されてきた「2025年度プライマリーバランス黒字化」の文言は明記されず、『財政健全化の旗を下ろさず、これまでの財政健全化目標に取り組む』といった記述に留まりました。

 

これは、コロナ禍からの経済復活を優先する方針を示すとともに、ウクライナ情勢に端を発した防衛予算の拡充方針によるものであります。社会保障費については、『医療・介護費の適正化を進める』との文言が記述されているので、報酬抑制の方向性には変更はないものの、財政再建に向けた力強さが一定に抑えられた表現となっていることから、介護業界にとっては大いに歓迎すべき記述であると言えます。

 

更には、昨年に引き続き、全世代型社会保障改革の構築方針が示されており、『給付は高齢者中心、負担は現役世代中心というこれまでの社会保障の構造を見直し』との記述が示されているものの、具体的な対策について今回はほとんど示されていません。

 

 

介護に係る記述は、『医療介護分野でのDX』『経営実態の透明化』『処遇改善を進める』『生産性向上を図る』『タスクシフティング』『経営の大規模化・協働化を推進』といった文言が示された程度であり、年内に取りまとめが予定されている改正介護保険法案に関する記述はほとんどありませんでした。

 

これは、冒頭にも記載の通り、選挙前であることから総論的な書きぶりとなっているためです。同時改定直前となる来年の骨太方針2023こそ、我々は最も注視していく必要があると思います。

 

 

 

斉藤正行氏 プロフィール
2000年3月、立命館大学卒業後、株式会社ベンチャーリンク入社。メディカル・ケア・サービス㈱の全国展開開始とあわせて2003年5月に同社入社。現在の運営管理体制、営業スキームを構築し、ビジネスモデルを確立。2005年8月、取締役運営事業本部長に就任。2010年7月㈱日本介護福祉グループ副社長に就任。2018年4月㈱ピースフリーケアグループ代表に就任。2018年6月、介護業界における横断的・全国的組織となる一般社団法人全国介護事業者連盟を結成。㈱日本介護ベンチャーコンサルティンググループの代表を務めている。

 

 

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