「コンセンサス」を重要視

 

今回は実際に導入した施設をご紹介しよう。

宮城県大崎市鳴子温泉地区に事業所を持つ社会福祉法人さんりん福祉会の「グループホームふかふか・はうす」の事例だ。

 

同事業所はこれまで職員の採用も順調で人材に恵まれており、介護の正職員の定着率もよかった。しかし、勤続年数に比例して職員の高齢化は避けられない現実があった。新規職員の募集をハローワークに出してもほとんど紹介がなく、人を集めるためには働きやすい環境を作ることが重要と考え、魅力ある職場を目指すために様々な検討を経て、導入を決めた。

 

当初は職員全員が「イメージが持てない」ため、「不安」「心配」が大きくなり、導入に対して半信半疑だった。そのため、「職員へのコンセンサス」を特に重視。不安が大きいからこそ、イメージを持ってもらうための説明を強化した。シミュレーションも詳細に伝えることで、「これならやれるのではないか?」と少しずつ変化していった。「まずはやってみよう!」という気持ちに切り替わり、トライアル運用から導入まで進めた。

 

導入後、職員が働き方を自主的に考えることで、職場の雰囲気が活き活きとして以前に増して明るくなった。職員間の声掛けが増えたことで、コミュニケーションがより深くなり、風通しがよりよくなっている。休みも増え、家庭の時間、プライベートの時間、学びの時間など、職員ごとに様々な時間の使い方をしている。

主任の2人は今後のキャリアに向けて社会福祉士の資格勉強を始め、公休増加がキャリアアップにつながる事例にもしていきたいと話している。また、職員の勤務が重なる時間が増えたことによって、入居者の外出の機会を増やすなど、日常生活を充実させる計画を組めるようになり、ケアにも変化が生じた。

 

深澤文雅理事長は、「まだまだ至らない点がある。『入居者に何ができるのか』という視点を常に持つことも大切」と、さらにケアの質向上を目指すと話す。

 

さんりん福祉会の今後の展開に注目していきたい。

 

 

 

 

石塚正拓(いしづかまさひろ)
(株)オリーヴ 取締役副社長
大手宅配寿司会社にて、店舗運営部門の責任者、新規事業部門の責任者を経て現在に至る。取締役副社長兼トップコンサルタントとして、これまでのマネジメント・新規事業開発の経験を基に介護施設の状況に見合った寄り添うサポートを実施し、活躍中。

 

 

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