今年1月、スタンダード市場に市場変更したケアサービス(東京都大田区)。在宅介護サービスに加え、エンゼルケア事業も好調だ。今後10年間を見据えた国内外における事業戦略や展望について、福原俊晴社長に話を聞いた。

 

ケアサービス
福原俊晴社長

 

 

 

〝人材の質〟で勝抜く 採用・研修を重点化

 

――今年3月から4月にかけて、亀戸に訪問入浴、デイサービス、居宅介護支援事業所を開設した

福原 元々近隣に訪問看護事業所があったところに、これらのサービスを一気に展開してドミナントを構築。各サービスによる情報連携が進み、集客の立ち上がりが非常に早かった。今後も今回の亀戸モデルのような、エリアで複数サービスを展開するドミナントを構築したい。

 

 

――エンゼルケア(湯灌)のニーズも多い

福原 デイがコロナ禍の影響を受けたこともあり、20223月期の在宅サービスは減益だったが、エンゼルケアは件数が増加し増益。昨年4月には、東京都府中市に「エンゼルケアCDC府中事業所」を開設している。中国上海でも展開しており、サービス品質向上に取り組んだ結果認知度が高まり、依頼件数が増加している。

 

 

――中国事業の現在について

福原 上海の状況は、少し前の東京に似てきていると感じる。スピード感がありダイナミックな変化が続く海外事業から学ぶものは実にたくさんあり、日本企業の当社が「じゃあ何で勝負するのか?」と考えるとやはり「人材の質」に行きつく。

 

海外の人と日本人の違いをあえて挙げるならば、「海外では、人材を育てることを急いでしまい待てない」こと。実務と人材育成に辛抱強く時間をかけることが、「人材のクオリティ」「サービスのノウハウ」となる。日本のサービスをそのまま輸出するのではなく、現地仕様にして地域の方々に喜んでもらえるサービスを提案し続けることが大切だ。

 

 

――人材確保・定着に向けた取り組みは

福原 今年は新卒35名を採用した。現在、採用・研修機能を役員直轄の部署として重点化し、尽力している。制度も充実させており、厚生労働省が認定する、女性活躍や子育てサポートの取り組みを認める「えるぼし」「くるみんマーク」も昨年取得。従業員とのコミュニケーションを何度も繰り返すことで、社内に「良い風土」をいかにつくっていくかが重要だ。

 

 

――今後10年間を見据えた事業戦略について

福原 まず、12年目は稼ぐ力をつける。組織力・事業の再構築により、その後の投資に耐えうる体制を整える。35年目は大きく投資する。M&Aや業務提携、海外展開や新規事業に動くことで「都市型在宅介護」を提供する企業として業界内での絶対的なポジションを確立したい。海外展開に関しては、上海がかつての東京に似てきていると言ったが、同じことがタイ・バンコクや台湾、マレーシア、インドネシアなどの大都市圏でも起こっていることを見越して検討する。

 

そして610年目には「シニア向け総合サービス業」へと進化する。在宅サービスを軸に、医療・調剤・看護との連携・融合や保険外サービスの展開に加え、葬祭周辺事業を多角化し、海外事業比率も増やしていく。葬祭周辺事業だが、このコロナ禍で規模が縮小され1日葬がメインになり、葬儀単価が大きく下落する中で、湯灌にはお金をかける御葬家が多い。次の10年以内には、湯灌・メイクだけではなく葬儀周辺業務を拡大し、全国で展開していきたい。

 

 

――「介護からエンゼルケアまで」を掲げる、真の意図とは

福原 今後、介護業界も葬祭業界も、業界再編が余儀なくされ、勝ち負けがはっきりするだろう。コロナ禍の2年間、厳しい経営環境の中で土台となる組織力が備わってきた。そして、改めて当社がこれまで掲げてきた「介護からエンゼルケアまで」の方向性は間違っておらず、将来的にはさらに「シニア向け総合サービス業」へと発展進化していける大きな可能性を再認識した。

 

根底にあるのは、「現場で働く従業員の地位を上げたい」という思い。今後もニーズを的確に把握し、競争力を強化して質の高いサービスを提供していくためにも、人材への投資にすべてを注ぐ考えだ。

 

 

 

 

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