日本生活協同組合連合会(東京都渋谷区/以下・日本生協連)は6月17日、「一般社団法人全国コープ福祉事業連帯機構」(同)を設立した。生活協同組合(以下・生協)および生協を母体とする社会福祉法人などの連帯を強め、生協グループの福祉事業の発展・強化を図る。
全国コープ福祉事業連帯機構の社員は、計31の生協、生協を母体とする社会福祉法人など。社員法人が行う福祉事業への中間支援機能を持ち、経営ノウハウの蓄積・共有、経営サポートを行っていく。生協グループの事業基盤の抜本的強化、地域毎の事業規模の拡大を目的として設立された。
具体的な事業内容は、▽経営ノウハウの蓄積と共有▽社員法人の経営実態把握・分析▽人材確保・定着と教育の仕組みづくりの推進▽外国人人材の受け入れと人材育成▽生協グループの介護サービスの標準化と質向上の推進――など。
現在、生協と生協を母体とする社会福祉法人を合わせた福祉事業収入は、約500億円の事業規模にまで成長している。一方で個々の法人の事業規模は小さく、人材確保や経営力など事業体としての基盤は弱い状況にあるという。
生協法人、社会福祉法人という法人形態の違いがあるなか、グループ内での協同の取り組みは一部に留まっているのが現状だ。同機構設立を契機にグループ間での連帯を強化し、スケールメリットを発揮していく考え。
社会福祉連携推進法人制度が2022年度から施行されるなど、厚生労働省による法人の大規模化の推進も設立の背景にある。
「将来的に、同機構の下部組織として社会福祉連携推進法人を設立することもありうる。連携推進法人は外国人人材の監理団体となれるなど、事業の可能性が広がる」と一般社団法人全国コープ福祉事業連帯機構・山際淳常務理事。

山際淳常務理事
同機構の経営サポートの内容には、事業承継・M&Aも含む。「従来はグループの個々の法人に事業承継などの依頼があったものの、経験値がなくお断りしているケースも多かった。こうした部分も支援していきたい」(一般社団法人全国コープ福祉事業連帯機構・村城正代表理事)

村城正代表理事