2024年の「惑星直列」まであと2年を切っている。24年は様々な制度が一斉スタートする年だ。

 

まず24年は医師の働き方改革で労働時間上限規制がスタートする。さらに第8次医療計画がスタート、同時に第9期介護保険事業計画もスタートする。また診療報酬・介護報酬改定・障害福祉サービス改定のトリプル改定の年だ。そしてまた医師確保計画、医師偏在対策のスタート年でもある。そして第4期の医療費適正化計画のスタート年でもある。

 

 

なかでも大きな改革は24年4月から改正労基法による医師の時間外労働の上限規制がスタートすることだ。特に「医師の年間の時間外労働時間上限1860時間」の影響は大きい。

現在、この上限を超えて大学や救急などの場で働く勤務医は2万人。この2万人が24年4月より労働市場より消える。これにより大学から地域の病院への医師の派遣切りが始まって地域の救急や産科当直に危機が迫る。

 

第8次医療計画では新たな事業に新興感染症対策が盛り込まれる。同時に第9期介護保険事業計画にも医療計画と連動して介護における感染症対策の記載が必須だ。コロナ第6波で介護施設のクラスターが5000件も発生した。24年同時改定では、これを受けて医療介護を一気通貫する感染症対策が課題となるだろう。

 

さらに医師確保計画、医師偏在対策も24年から本格化する。特に地域によって偏在する医師とその確保計画は、医療計画の外来医療計画と連動して進むだろう。医師多数地域における開業制限も始まるかもしれない。

 

また25年を目標年とする地域医療構想も次の目標年である36年を目指して、新たな推計値を掲げて再スタートしなければならない。36年の人口動態に合わせた病床機能分化、さらには外来機能分化が新たな地域医療構想の課題となる。

 

 

そして医療費適正化計画では医薬品使用の適正化である地域フォーミュラリー(有効性や安全性、費用対効果などを踏まえた推奨医薬品リスト)の作成が都道府県に義務付けられるだろう。そして経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針2022)にも盛り込まれたかかりつけ医の制度整備も避けては通れない課題だ。

 

さらに医療介護のDXも今にも増して進む。電子処方箋が完成すれば、24年よりオンライン診療・電子処方箋・オンライン服薬指導のデジタル完結3点セットが本格稼働する。

 

 

24年は団塊の世代800万人がすべて後期高齢者となる25年の前年である。怒涛の改革が押し寄せる「惑星直列」の年へ向けての準備を始めたいものだ。

 

 

 

武藤正樹氏(むとう まさき) 社会福祉法人日本医療伝道会衣笠病院グループ相談役

1974年新潟大学医学部卒業、国立横浜病院にて外科医師として勤務。同病院在籍中86年~88年までニューヨーク州立大学家庭医療学科に留学。94年国立医療・病院管理研究所医療政策部長。95年国立長野病院副院長。2006年より国際医療福祉大学三田病院副院長・国際医療福祉大学大学院教授、国際医療福祉総合研究所長。政府委員等医療計画見直し等検討会座長(厚労省)、介護サービス質の評価のあり方に係わる検討委員会委員長(厚労省)、中医協調査専門組織・入院医療等の調査・評価分科会座長、規制改革推進会議医療介護WG専門委員(内閣府)

 

 

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