三井不動産(東京都中央区)および三井不動産ホテルマネジメント(同)、国立研究開発法人国立がん研究センター(同)は、「三井ガーデンホテル柏の葉パークサイド」(千葉県柏市)を7月1日に開業した。
医療ツーリズム受入強化も
公・民・学連携でまちづくりが推進されている柏の葉スマートシティ内にある、がん専門病院である国立がん研究センター東病院(以下: NCC東病院)の敷地内に立地。
NCC東病院には国内外から年間約30万人のがん患者が来院している。ホテル開業により、これまでは連日の通院が難しかった遠隔地の患者や、付き添いの家族の利便性向上を図り、より多くの人が治療を受けられる環境を目指す。
長期滞在用のキッチンや洗濯機付き客室を設けるほか、医療ツーリズム会社と連携し、海外からの受入れをさらに強化する方針。
ホテルではNCC東病院と連携し、診療状況・生活留意事項などを共有。滞在中の適切なサービス提供につなげる。また、フロアの一部をNCC東病院の外来診療室として利用する予定。
24時間体制で、介護職員初任者研修を取得したケアスタッフが5名常駐する。客室からケアスタッフにつながる呼出しボタン・館内電話が設置されており、体調不良時などに迅速な対応が可能。
また、患者にセンシングデバイスを貸与し、デバイスのバイタルデータを体調管理に活用するサービスや、アプリによって患者の状態に適した食事を提案するサービスを提供。レストランでは患者の身体状況に応じた分量、食形態、味付けなどに対応する。
客室は全145室。部屋の広さはタイプにより約22平米〜最大約60平米で、1泊1万7600円〜6万6000円。
「患者は、病院にいるよりも日常の時間の方が長い。新たな診療モデルとしてホテルを活用し、柏の葉から最先端医療の創出に寄与していきたい」(国立がん研究センター先端医療開発センター長/NCC東病院先端医療科長・土井俊彦氏)

体調不良時などはケアスタッフが対応