中長期の目標と短期の使い方を把握介護保険における福祉用具サービスは、「利用者がその居宅において自立した日常生活を営むことができるよう助けるもの」と定められている。

 

加齢や疾病により身体機能の低下が進むと、これまで日常生活で当たり前にできていたことができなくなることが多かれ少なかれ出てくる。しかし、その状態をそのままにしておくと、さらに機能低下が進み、日常生活でできることは減っていく。

福祉用具を使用し、「自分でできること」の幅を広げていくことができれば、ご利用者自身の意欲向上や介護者の負担の軽減に大きく貢献する。

 

 

中長期の目標と短期の使い方を把握

 

 

福祉用具の選定においては、ご利用者のニーズを把握することが何よりも重要で、どういう状態でどういう生活をしたいのかということをきちんとヒアリングを行う。

 

その際に重要となるのは、ご利用者の中長期目標だ。例えば、車いすであれば、何のために移動したいのか。「トイレに自分で行けるようになりたい」、「スーパーまで一人で行きたい」「孫の運動会を見に行きたい」などそれぞれの目標を福祉用具専門相談員がしっかりと把握し、提案を行うことで、ご利用者の真のニーズを満たすことができる。

 

福祉用具の提案・説明の様子

 

 

このような中長期の目標とともに重要なのが短期的な使い方である。その際、疾病を理解することは欠かせない。

 

例えば右側の片麻痺の方であれば、右側のリム(漕ぐ際の持ち手部分)を外せば軽量化できたり、左足で足漕ぎすることになるので、左の足置き部分も外した方が使いやすい。また、足漕ぎがしやすい高さに調節することも必要である。

 

 

 

福祉用具サービスの介護給付費全体に占める割合は約3%しかないが、居宅介護支援を受ける方の約6割が利用するサービスとなっている。これは非常に少ない費用で多くの高齢者を支えてきた福祉用具の有用性を示すために、最もわかりやすいデータだと考える。

 

介護分野における人手不足が叫ばれる中、今後、福祉用具サービスによる自立支援はご利用者のQOL向上においても、社会保障費の抑制においても大きな効果があると確信している。

 

 

山下和洋
株式会社ヤマシタ 代表取締役社長

2010 年慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、 株式会社ヤマシタ入社。2013 年、先代社長であった父が急逝し、25 歳の若さで代表取締役社長に就任。小学校で社会保障制度に関する卒業論文を執筆。2020 年、ダイヤモンド経営者倶楽部「Managementof the year」を受賞。先代社長は福祉用具専門相談員全体のレベル向上を目指す職能団体「ふくせん」を発起人として設立。

 

 

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