若武者ケアグループ(横浜市)は、横浜市とその周辺エリアで在宅サービスをドミナント展開する。「従業員満足度向上がサービス向上に直結する」という経営姿勢のもと事業を運営。今後さらに事業所数拡大を図るという佐藤雅樹社長に聞いた。

 

 

 

処遇がケアの質直結 実績に応じ還元を

 

──事業所数は現在、36まで拡大している。
佐藤 訪問介護(17拠点)を中心に、訪問看護(5拠点)、通所介護(7拠点)や居宅介護支援事業所(7拠点)を運営している。創業から15年、新規開設に加え十数件M&Aや事業承継などを行いながら数を増やしてきた。

新規開設した事業所では数年後に安定した利益が出せる流れができており、売上、利益は毎年伸びている。前期のグループ売上高は約16億5000万円、利益は約1億円。今期売上は約19億円の見込みだ。

 

 

──在宅サービスに特化するなか、基本の経営方針として重視することは。
佐藤 訪問介護などのマンツーマンケアでは、職員ごとにケアの質の高さ・低さが如実に表れる。職員を大切にすることが利用者を大切にすることに直結し、それが業績につながる。当社の利益はできる限り職員に還元し、サービスを向上させるために使う。外部株主は入れず、配当などで利益が流出することを防いでいる。

 

身体を動かすデイ利用者たち

 

 

──人員配置や職員の処遇における特徴は。
佐藤 事業所間の距離を縮め、1事業所あたりの利用者数、スタッフ数は現場に負担がかからない数に設定している。1事業所あたり利用者数は150名、スタッフは最低でも常勤社員5名、多くて常勤社員10名を配置することが理想。

 

当社においては、これが平均的なスキルを持つ管理者が問題なく管理・運営できる数だと考えている。安定した運営にはある程度の規模が必要だが、規模を大きくすることばかりを考えてスケールメリットを得ようとしてもひずみが出る。「一定の」規模拡大をしつつ、ドミナント展開で各サービスを集約し収益を上げるのも当社の基本方針。

 

こうした事業展開で、休暇制度も充実化できている。当社のスタッフは年に1度、9連休を必ず取得しなければならない。昨年問題なく全員が取得できたので、年に2度取得してもらうことも考えている。

 

職員のモチベーション向上はもちろんだが、利用者と職員の馴れ合いからくる不正防止も狙い。担当の職員の休暇中にほかの職員が訪問することで、閉鎖的になりがちな在宅サービスの風通しを良くしている。

 

 

──今後の展開は。
佐藤 5年以内に30事業所増やすことを目指す。新規開設5割、M&A5割の割合で考えている。

 

訪問介護、訪問看護、短時間型リハビリデイ、居宅介護支援から複数組み合わせ、セットで展開していく。セットで展開することで、地域ニーズ、利用者などに関する情報共有を事業所間でできることは大きな利点だ。特に訪問看護は積極的に増やし、医療依存度の高い人やターミナルケアにも対応していきたい。訪看を入口としてほかのサービスでの重度利用者獲得、医療機関との関係構築につなげる。

 

 

鍵になるのはやはり人材の確保だ。給与水準などを含め、「働きやすさ」を一層追求していきたい。給与水準に関して、これは介護業界全体に対してもいえることだと思うが、一律に水準を上げるのではなく「勤続年数や実績がある人により多くの給与を支払う」視点が大切だと考えている。

 

 

若武者ケア 佐藤雅樹社長
2001年石油会社入社後、経営企画、財務セクションで勤務。その後特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などでの勤務を経て、2007年若武者ケア設立。横浜市立大学大学院経済学研究科・修士課程修了、早稲田大学大学院商学研究科・専門職学位・MBA取得。介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員。

 

 

 

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