AIPヘルスケアジャパン (東京都港区)は、2014年に大和証券グループと協働で日本初のヘルスケアリート・現大和証券リビング投資法人を組成。以来、東京都心部を中心とした有料老人ホームの開発、同リートのアドバイザリー業務を手掛けている。今後さらに開発ペースを上げるというA.バリー・ハーシュフェルド,Jr.代表に聞いた。

 

 

AIPヘルスケアジャパン 
A. バリー・ハーシュフェルド, Jr. 代表

 

 

リートと協働、高入居率 ホスピタリティ充実

 

――創業から、来年で25周年を迎えます。
バリー 当社は2001年にヘルスケア分野に焦点を当てた投資を開始しました。当社が組成に携わった現大和証券リビング投資法人の保有資産総額は、組成時の約200億円から約1000億円に拡大。その発展を後押ししてきました。ヘルスケア施設開発に関しては、中央区勝どき、大田区多摩川・南雪谷など、都内で有料老人ホームを手掛けました。入居率はすべて100%に近い状況です。

 

――直近では、どのような開発案件を手掛けていますか。
バリー 今年の5月、港区に介護付有料老人ホーム「プレザンリュクス南青山」を竣工。ケア21が運営を担います。総事業費は約70億円で、敷地面積は約511坪、居室数は全61戸。7月1日に開設しました。

 

現在、江東区東雲で複合型施設の開発が進行中です。敷地面積は約844坪、全100戸の介護付有老のほか、テナントとしてスーパーマーケット、学童保育所、10科目ほどを含むクリニックモール、薬局などが入ります。総事業費は約120億円。こちらの運営も、ケア21が担います。23年1月に竣工、同3月に開設予定です。

 

 

――東雲の案件は、都内のヘルスケア関連施設では前例のない規模となっています。
バリー「都心型」の高齢者施設は、郊外に多い従来型の高齢者施設とはビジネスモデルが変わってきます。従来型では、費用負担のうち介護報酬と自費の割合が概ね1対1となるのが一般的ですが、都心型では自費の割合を60~80%まで上げる必要があります。そのため、高齢者施設とのシナジーが生まれやすいテナントを誘致しました。

 

自費の割合が大きいとリスクが高いようにも思えますが、制度に依存しないビジネスモデルがむしろ低リスクという見方もできるで しょう。

 

 

――都内で高齢者施設を開発する上で、課題となるのは。
バリー まず「場所」の課題があります。都内の利便性が高いエリアでは、マンションデベロッパーと競合し、物件の取得に苦労することも多いです。 東雲のように商業施設などとの複合型とするのも、マンションデベロッパーと競えるようにする狙いがあります。 これまで開発を手掛けた有老の入居率を見ても、都心部における高齢者施設のニーズは確実にある。 都心部にマンションは多いのに、なぜ高齢者向けの住宅となると少ないのか。 先入観を払拭することが必要です。

 

次に「オペレーター」です。 自費の割合を上げるとすると、オペレーターが提供するサービス水準を上げる必要がある。 入居金は数千万から1億単位で、1流ホテル並みのホスピタリティに富んだサービスです。日本でこれを構築できる事業者はまだ少ない。 当社では、事業収支のシミュレーショ ンを含め、介護を超えたプラスα のサービス構築をサポートしていきます。

 

最後の課題として、「開発資金の調達」が挙げられます。エクイティファンドによる投資が普及すれば、調達が容易になります。

 

 

――最後に、今後の展開を教えてください。

バリー 当社では、ここ数年の開発でプロトコルができました。 これから、都心部で高齢者施設の需要は劇的に拡大していくでしょう。年間1~2棟のペースで開発を行ってきましたが、今後は四半期に1~2棟のペースで開発していく考えです。

 

日本のヘルスケア施設市場は、米国と比べ発展途上です。ヘルスケア施設開発は、投資資金を利回りで回収できるサステナブルな仕組み。米国のヘルスケア施設開発市場に関する知見を活かしながら、日本の市場拡大に 寄与していきます。

 

 

東雲の複合施設のイメージ

 

 

 

 

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