元ヤングケアラーの宮崎成悟氏は、「ヤンクルコミュニティー」というオンラインコミュニティーを設立し、ヤングケアラーの支援を行っている。昨年11月、一般社団法人ヤングケアラー協会(東京都渋谷区)を発足。自身が代表理事を務め、SNSの活用、行政との連携により、さらなる支援の拡充を目指す。

 

宮崎成悟代表理事

 

 

支援情報を一元化

同協会の活動内容は、ヤンクルコミュニティーの運営に加えて、研修会・講演会など。最近は研修会、講演会の引き合いが多く、主に行政の教育部門の担当者や、民生委員などに向けて行っている。市民向けの講演会は発足以降、30件以上実施した。

 

それらの場では、ヤングケアラーとは何かという基本に加えて、効果的な支援策についても説明する。支援策については一般にヤングケアラーの早期発見が重要とされている。講演ではそのためには、「今すぐ相談するほどではない」と考えている人々のフォローも欠かせないことを伝える。

 

「若者は学校の入学・卒業や就職など、ライフステージの変化が早い。そのため、『今は大丈夫』でも、状況が一変することも珍しくありません。長期的な視点で支援が必要です」

 

 

 

ヤングケアラーの発見や支援において、本人が多くの時間を過ごす学校への期待は大きい。一方で、小、中、高と環境の変化が著しく、学校側では長期的に関係を保つことは難しい。また、行政ではヤングケアラーの把握が難しく、本人が相談に訪れるハードルも高い。

 

そこで、ヤングケアラーと支援機関をつなぐため、LINEによる相談窓口を今年11月目途に開設する予定だ。LINEでは月1回程度のメッセージのやり取りだけでなく、住んでいる地域が実施しているヤングケアラー支援策の情報、ボランティア団体による支援まで、幅広い支援の情報を集約し、発信することが特徴だ。自分の状況をどこに相談すればいいのかわからない、といった声を受けて情報を一元化した。

 

窓口をあえてLINEで開設することにも意味がある。普及率の高さに加えて、電話に比べて気軽にメッセージをやり取りできることがポイントだ。「電話するほどでもないが、心がもやもやする」といった人が、もやもやした気持ちをうち明けることでその解消が期待できる。さらに、「相談していることを家族に知られたくない」という人にも配慮した。

 

 

 

同協会ではヤングケアラーを支援する様々な取り組みを行っているが、活動に限界もある。「我々のような民間の団体が直接家族の間に入って問題を解決するというのは、現実的には困難です」。

 

そのため現在は、研修会・講演会などの活動を通じ行政機関と関係をつくり、両者がタイアップして支援を行うことを目指している。オンラインやリアルな窓口など、「支援につながることができる〝糸〟を本人の回りに、様々な形で用意する」ことを目指すという。

 

 

 

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう