WEBマーケティング支援などのIT事業、語学教育事業などを手掛ける全研本社(東京都新宿区)は今年、介護事業を行う子会社、全研ケア(同)を設立。7月、埼玉県の介護事業者より有料老人ホーム3棟を譲受し、施設運営を開始した。

 

 

モデル施設構築ノウハウ展開へ

 

全研本社は1975年、語学教育事業を行う法人として創立した。2000年にオンラインによる語学教育を取り入れたことを皮切りに、IT事業に本格参入。WEBマーケティング支援などを手掛けてきた。

 

18年、日本のIT人材不足に対するソリューションとして、これまでの語学教育のノウハウを活用し海外IT人材事業をスタート。インドの大学など現地学校と連携し、IT分野で外国人人材の教育、採用支援を行っている。21年6月に東証マザーズに上場した。

 

 

22年6月期第3四半期の売上高は昨年同期比12億9800万円増の57億9200万万円と順調に業績を伸ばしている。柱となっているIT事業で、インターネット広告市場がテレビ広告市場を上回る勢いで拡大していることなどがその背景だ。

 

全研ケアの上奥由和社長は、「全研本社では国内の労働力不足という課題の解決が市場機会であると捉えており、時代に合わせて必要な事業を展開してきた」と語る。介護分野においては人材不足の解決のため、外国人人材の活躍に期待がかかる。全研本社が培ってきた語学教育力とのシナジーを見込み、介護事業に参入したという。

 

 

上奥由和社長(右)、鷲谷将樹取締役(左)

 

 

新たに運営する介護付有老は▽全研リビング久喜 壱番館(定員16名)▽全研リビング久喜 弐番館(同14名)▽全研リビング久喜 参番館(同14名)。全研ケアが施設の運営を担当。

 

全研本社は登録支援機関として外国人人材に向けた日本語教育、異文化教育、介護福祉士試験対策、施設とのマッチング・人材紹介、日本人職員に対するやさしい日本語教育などを展開する。

 

日本語教育は1回15分程度の動画と宿題による自主学習と、週1~2回の1時間程度のライブレッスンを組み合わせて行う。動画コンテンツは短時間とすることで、自分の空いた時間に取り組みやすくなっている。ライブレッスンは「誰かと一緒に勉強している」という連帯感によって学習のモチベーションを維持する。

 

 

人材受け入れについては現在、インドネシアの日本語学習塾「学修堂」、インドネシアに数少ない介護の専門学校を開校する「ダルマワン専門高校」の3者間で独占契約を締結している。「東南アジアの中でも人口が多く、日本語学習者も多いことから同地の人材を積極的に受け入れていく方針とした」(上奥社長)

 

介護施設の運営で、外国人人材受け入れのモデルを構築することを目指している。そこでの成功モデルをほかの事業者に見学してもらうこことで、新たな顧客の創出を狙う。

 

 

「日本で働くことに魅力を感じる外国人はまだまだ多いと思う。そういった人々をしっかり受け入れ、日本の介護のブランドの発信にも貢献したい」(全研本社・鷲谷将樹取締役)

 

 

運営する介護付有老「全研リビング久喜」

 

 

 

 

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