エーザイ(東京都文京区)とライフネット生命(同千代田区)は9日、高齢化社会における人々の医療・介護の負担軽減を目指し、認知症領域などにおいて資本業務提携契約を締結したと発表した。
ビッグデータ活用 中計で「健康時から最期まで支援」
エーザイは同契約に基づき、ライフネット生命の普通株式3億円相当を取得する。
エーザイが持つ認知症領域における創薬活動や疾患啓発活動の経験・ネットワークと、ライフネット生命の保険商品・関連サービスで培ってきたノウハウや技術を相互に活用。新たな商品、サービス開発を進めていく。
エーザイは中期経営計画「EWAY Future & Beyond」で、同社が貢献すべき対象を患者だけでなく、健康な人を含めた「生活者一人ひとり」へと拡大すると打ち出した。ソリューションの提供を通じて、健康な時から最期まで支援していく。
特に同社の強みである認知症関連・神経変性疾患の領域においては、臨床試験データなどのビッグデータ活用により認知症のリスクを予測するモデルの構築、それに基づき行動変容を促すソリューションの提供などを構想している。今回の提携で、予防から治療、アフターケアまで一気通貫で貢献する認知症エコシステムの構築を加速する。
ライフネット生命は、多様化する生命保険へのニーズに対応するため、オンライン生命保険を提供してきた。現在は自社の生命保険に留まらず顧客が求める幅広い商品・サービスを、オンライン上で提供するプラットフォームを実現する構想を掲げている。エーザイとの協業で、医療・ヘルスケア領域において新たな価値提供を目指す。
両社は今後も、活動主旨に賛同するほかの企業・団体とのコラボレーションも検討していく。