第11回目となる社会保障審議会介護保険部会 介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会が8月24日、開催された。中でも「処遇改善加算の一本化」「LIFE入力の現状の負担」などの具体的な論点について、意見・要望が多く述べられた。

 

 

運用途中のLIFE 算定要件等明瞭化を

 

当日は、業界団体ヒアリングとして、15団体が参加。ヒアリング項目は、6月7日に閣議決定した「規制改革実施計画」に盛り込まれた以下5点▽指定申請・報酬請求・実地指導関連文書の国が定める標準様式例について▽簡素化や利便性向上に係る要望を提出できる専用の窓口について▽「電子申請届出システム」について▽地域による独自ルールについて▽その他――に関して参加団体から意見・要望が述べられた。

 

 

参加団体はこれらの取組の推進に概ね賛成を表明。スピード感をもって進めてほしいと求めた。中でも、より具体的な論点として議論されたのは、

 

①処遇改善加算取得に関わる書類の簡素化

②LIFE入力の負担軽減

③事故報告書提出の負担軽減

 

――といった点。

 

 

①について、一般社団法人全国介護事業者連盟は「処遇改善加算は従来の2つから、本年2月より補助金として、10月よりベースアップ等支援加算として3つの加算となり、文書負担が1.5倍になる」としたうえで、「処遇改善加算自体を一本化してほしい」と要望。多くの団体が同様の意見を述べ、「加算と報酬、制度自体の一体化を望む」との声も挙がった。

 

同連盟調査によると、2割程度の事業所で書類作成のための残業代が発生しているほか、煩雑な事務作業により加算を取得できない事業所や、外部の社労士などに委託する事業所もあるという。書類の具体的な内容や計算式などにも改善の余地があり、さらなる簡素化もしくは制度自体の統合が望まれる。

 

 

②については、運用途中のLIFEであるが、現状でどのような負担があるか委員が質問を投げる場面もあった。これに対し全国社会福祉法人経営者協議会が「特養などでは介護記録システムと連動しているが、LIFEに入力が必要となると手間がかかる。記録のデジタル化は重要」と返答。さらに「フィードバックの活用が加算の条件だったが、現在ようやく事業所に戻ってきたところであり、これからだろう」とし、多くの同意を得た。介事連も「自治体に問い合わせても『わからない』と言われる現状。算定要件についてもQ&Aなどを作り、全自治体に通達するなどしてほしい」と述べた。

 

 

また③について、公益社団法人全国有料老人ホーム協会、一般社団法人高齢者住宅協会などが「施設内で事故が発生した際、最大で3ヵ所への報告が求められ、さらにそれぞれの報告書様式や報告基準が異なるなど、非効率な状況が存在する」と言及。ローカルルールの問題も多く、今後、事故報告についても電子申請で対応することなど検討を要望した。

 

 

 

今後、科学的介護の推進は必要不可欠であり、負担は致し方ない部分もある。しかし、あまりに煩雑化する文書負担について、人材不足の介護業界においては1日も早い改善が急務だ。今回の意見陳述を受け、高齢者支援課の須藤明彦課長は「ローカルルールや文書負担など、単純になくすというより、本当に必要なものは何かというところに立ち返って考えていくべきと実感。過度な簡素化による事故発生などに逆ぶれすることがないよう進めたい」と話した。

 

委員会では、今回寄せられた意見・要望をまとめ、9月末の次回委員会にてさらなる具体策を議論する。

 

 

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