Blanket(東京都文京区)が運営する介護業界のコミュニティ「KAIGO LEADERS」は7月25日、調査・研究事業を行う「KAIGO LEADERS LAB.」(以下・ラボ)を設立。活動第1弾として、介護現場におけるリーダー職への昇進に関するアンケートを実施し、結果を公表した。

Blanket 秋本可愛代表
勤務5年未満に「昇進意欲」
同社がこのほど立ち上げたラボでは、若手介護職の声を聞く実態調査や自主研究を行い、そこで得た課題や解決のヒントを、介護分野に関わるイノベーター企業・事業所との連携によるワークショップなどで共有。さらに、国や行政への働きかけを行う新たなプロジェクトへと昇華させる活動につなげていく考えだ。
ラボの活動第1弾として、「介護現場におけるリーダー職への昇進」について、全国の20歳以上の介護・福祉従事者219名を対象にアンケート調査を行った。調査期間は6月24日~7月10日。
チームリーダーなどの役職に就くことへの意欲に関する質問では、現在の役職が「一般職・スタッフ」の人のうち、今後役職に「就きたい」と回答した人は32%、「就きたくない」と回答した人は38%となった。
「就きたい」と回答した人の理由は、「現場以上のキャリアを積みたい」「現場の状況を少しでも変えたい」など。これを6%上回った「就きたくない」との回答の理由には「現場の業務をこなすので精一杯」「責任と仕事が増え割に合わない」などが挙げられた。なお、勤務年数別に「リーダー職への昇進意欲」を集計したところ、「勤務年数5年未満においてリーダー職への昇進意欲が高い」ということが分かった。
一方、現在の役職が「チームリーダー」の人のうち、リーダー職に「就いて良かった」と回答した人は83%に上った。リーダー職に就いた理由の1位は「リーダーとしてのスキル・経験をつけ成長するため」で52%、次いで「上司に勧められたから」が44%。
「リーダー職に就いて良かったこと」は、「視野が広がった」「やりたい介護に向けて事業所として考えることができた」などが挙げられた。(KAIGO LEADERS LAB.調べ)
現場からマネジメント層の人材を輩出するため、介護事業各社では様々な取り組みが行われている。この調査結果から、スキルアップを促すタイミングや動機付けに関するヒントが得られるだろう。