ここ数ヵ月間「中途職求人への応募が、絶望的に少なくなっている」という相談がかなり増えています。募集チャネル強化はもちろんですが、それ以外に主に以下の3つを提案しています。

 

 

①年俸制への移行
年棒制にする場合、12等分して月払いだけにするか、賞与月に上乗せして支給する(例えば賞与2ヵ月なら14等分)方法があります。また、賞与をゼロにして、その分を月給に上乗せすれば、(年収を上げることなく)募集時の月給を高くして応募を増やすことができます。

年収や賞与額よりも、月給を重視して会社選びをする求職者が介護業界では多いようですから、有効な手段といえます。特にリハ職や看護師などには効果的です。弊社でも、来期に向けて給与制度の見直しの業務依頼が殺到する時期です。まだ来年の4月改正には間に合います。

 

②新卒採用の強化
特に、地域で総合的に展開している事業者は、中途よりも新卒の方が採れやすい状況です。来春卒の採用は、春先から8月上旬くらいまでで一旦落ち着きましたが、10月くらいから第二陣の応募が増えると思います。

 

③DX化で業務負担軽減と残業短縮、休日数増
給料の多寡よりも、プライベートの充実を重視する人が増えています。といって、利用者に対するケア、サービスの劣化は、絶対に防がなくてはいけません。業務手順を見直したり、DX化によって残業減、休日増を目指しましょう。

 

 

今後も進む少子化に対して、介護職の必要数は拡大していくわけですから、①〜③だけでは根本的な解決にはなりません。これからはますます〝勝ち負け〞がはっきりしてくると思います。都市部ではなく郊外や過疎地で運営している事業者は、そもそも労働者のパイが減っていきます。

そこで、特に今年は④を強化していただくように助言しています。

 

 

④ダイバシティ経営へ
ダイバシティとは「多様性」「多様な働き方」と訳されますが、要は「外国人」「シルバー」「短時間パート」を活用しようということです。

特に「外国人介護士」については、他国との競争が激しくなっており、これまで中心的な存在だったベトナム人、インドネシア人、フィリピン人の日本での出稼ぎ人気が落ちています。他国の給与水準が高まっているのと比較して、日本は長年変わっていませんから、当然といえば当然です。

 

さらに悪いことに、シンガポールが外国人介護士の待遇改善や家族に対するビザの発行まで進めていると聞きます。そうなったら、外国人に冷たい日本の労働条件では、全く勝負にはなりません。新型コロナによる渡航制限も解除されてきているので、手遅れにならないように今年度下半期は、徹底的に外国人採用を強化すべきです。

 

 

その具体的手法ですが、都市部と郊外部では、戦略が大きく異なってきます。
まず、外国人介護士の採用方法は、技能実習生と、特定技能人材の採用の2つの方法があります。特定技能人材の多くは、3年間の技能実習期間が終わった人。つまり、介護経験や日本語力が、ある程度習得できている人材と言えます。

となると、できれば特定技能人材を採用したいところですが、特に若い人材は、都心部で働きたいというニーズが大きいため、経験値のある特定技能人材を採用するのは困難です。そのため、以下のように考えるべきだと思います。

 

【郊外部での外国人活用】
監理団体と連携し技能実習生の受け入れを目指しましょう。3年経過後は都心部へ転職する可能性が高いため、期限付きの雇用と割り切るのが得策。毎年、数名ずつ受け入れて、3年で1回転するのです。初めて来日する人材を早期育成しなくてはいけませんから、第一号の外国人材と一緒に、教育プログラムの構築に注力しましょう。

 

【都市部での外国人活用】
郊外で3年間、訓練を受けた特定技能人材を狙いましょう。〝棚ぼた〞が狙える立地にいるのです。ただし、すでにスキルを持った人材を採用するのですから、必然的に競争は激しくなります。給与、待遇面で選んでもらえるようにしていきましょう。

 

 

繰り返しになりますが〝手遅れ〞にならないように、1日も早く着手しましょう。

 

 

 

 

糠谷和弘氏 代表コンサルタント ㈱スターコンサルティンググループ
介護事業経営専門のコンサルティング会社を立ち上げ、「地域一番」の介護事業者を創り上げることを目指した活動に注力。20年間で450法人以上の介護事業者へのサポート実績を持つ。書籍に「介護施設帳&リーダーの教科書(PHP)」などがある。

 

 

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