個人投資家、ESGに関心

 

今年4月、東証グロース市場に上場した不動産クラウドファンディングのクリアル(東京都台東区)。8月に募集した総額1.7億円の保育園施設案件では、募集開始からわずか30秒で調達完了。1万円から不動産投資できるという気軽さから、口座開設する個人投資家が増えている。ESG投資の観点から今後は高齢者施設の開発にも力を入れる。横田大造社長に話を聞いた。

 

 

<第11回 介護経営サミット(9/27~30)に登壇予定>

 

クリアル 横田大造社長

 

 

――事業内容など

横田 機関投資家などプロ向けの不動産ファンド事業、個人向け不動産投資運用サービス、そして不動産ファンドオンラインマーケット(クラウドファンディング、以下CF)の3事業で構成されています。特にCF分野においては高い市場成長率の中、4年連続で運用資産残高1位となっています。

これまで不動産投資は機関投資家や富裕層など一部のプロ向けの投資商品であり、個人投資家の資産運用としては主役ではありませんでした。また、不動産業界は紙文化で非効率、情報の透明性も決して高くなかったと言えます。こうした状況を変えるため、投資プロセスをDX化し、誰もが気軽に投資できる環境を整えることを目的に2011年に当社を設立しました。

 

 

 

――これまでのCF運用実績は

横田 22年3月末時点で、組成したファンドは56(40は償還済み)あり、累計調達額は152億円を超えます。これまで元本割れはありません。不動産投資CFにおける市場占有率は62%となっています。
また、投資家保護の観点から、ファンドには運営主体である当社が劣後出資者となり投資を実行します。出資持分を優先部分と劣後部分に分け、優先部分を保有する投資家が優先的に配当を受け取る仕組みを構築しました。さらに、想定通りの収益が生じなかった場合のリスクを、劣後出資額を上限として当社が負担。投資家への配当の確実性を高める仕組みとなっています。

 

 

 

――ESG不動産への投資も

横田 保育園や地方創生分野の物件については、機関投資家においては「物件のサイズが小さ過ぎる」「トラックレコードが少なく判断ができない」という理由から投資が進んでいるとはいえない状況です。一方で個人投資家でも社会問題解決に資する投資であり、安定運用が見込まれるESG投資を希望する人は少なくありません。実際に当社が実施した保育施設でのC F では、募集開始から30秒で締め切るほどの人気でした。この分野においては、施設のオペレーターサイドのニーズも強く、今後もCFによる資金調達は増えていくことが予想されます。

当社ではCF・プロ向け含めた投資額の34%がESG不動産という実績がありますので、今後も積極的にこの分野を手掛けていく計画です。

 

 

 

――高齢者施設などの実績は

横田 CFによる資金調達ではありませんが、機関投資家から出資を募り、高齢者施設7物件、病院1物件の投資実績があります。私を含め上場ヘルスケアリートの組成・運用経験があるスタッフが揃っていますので、得意分野の一つでもあります。

従来のファンドでは手が出しにくい「グループホーム1 棟」など、1億円に満たないような不動産であってもCFであれば実行可能。大手介護事業者からは立地しだいで実行したいという声をもらっています。提携不動産会社からの土地情報も増えていますので、早いうちに実績ができると考えています。

 

 

 

――CFによる介護事業者のメリットは

横田 規模の小さな物件も実行可能、土地情報の提供、また高齢者施設のプロモーションにも寄与できることが挙げられます。当社のCF口座を持つ個人投資家は約3万人いますので、CF実行の際にはこの個人投資家へ周知させるとともに、専用WEBサイトでは投資対象の施設・法人紹介ページを作成。施設の詳細、運営の想いなどを多くの個人投資家に伝えることができます。

 

 

劣後部分にクリアルが投資する

 

 

 

 

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