オトバンク(東京都文京区)は、2004年創業のオーディオブックを手がける企業だ。会員数は国内約250万人。いわゆる読み放題に当たる「聴き放題」のタイトル数は、約1万5000点以上に及ぶという。医療や介護の分野にも商機を見出す上田渉会長に、今後の展開を聞いた。

 

 

上田渉会長

 

 

 

 

――オーディオブックの利用者層が拡大していると聞く

上田 ここ最近、高齢層や障害者層が増えている。高齢者は顕著で、80代で緑内障ながら年間100冊読了する強者もいると聞く。

 

 

――現在の会員数は

上田 会員数は約250万人。個人の場合、月額950円で聴き放題。現状では、30~40代のビジネスパーソンがメインだが、50代以上も増えてきている。

一方、法人向けは今年1月から開始。社員教育や福利厚生面では、すでに50社以上のクライアントがいる。社員の月間視聴数は平均して4冊弱だと聞いている。もともと1冊以下と考えると、飛躍的な伸びだと言える。

 

 

――ここ数年で、一気に伸びた要因は

上田 ナレーターや声優が読んでくれるので、移動中の「ながら聞き」ができるのが魅力となっている。また、デバイスインフラの増加も寄与した。

 

 

――改めてこの事業を手掛けるに至ったのは

上田 緑内障になった祖父のことがある。失明して、読書家だった祖父が本を読めなくなった。何かできないかと思いながら、大学入学直前に亡くしてしまった。その後悔を元に2004年時、在学中に創業した。

 

 

――医療・介護の分野ではどう展開する

上田 一例だが、一般財団法人同友会(神奈川県藤沢市)の藤沢湘南台病院(同)と組んで今年7月から、タブレット4台を用いてテスト導入を始めた。医療機関では初の導入となるこの事例を見て、今後、導入を検討する先が増えるものとみている。

 

 

――競合を挙げると

上田 現在のところ大手ではAmazonのAudibleがある。聞く文化やオーディオブックの魅力を世の中に一緒に広めていければと思っている。

 

 

――可能性は

上田 大きく広がっている。最近、オーディオブックと運動を組み合わせることで、認知症予防を目的とした従来の脳トレーニングと同等の効果があることが研究で明らかになった。

 

聴いて楽しむだけでなく、健康寿命を伸ばす観点でもオーディオブックの利用が拡大すると期待している。

 

サービスの様子

 

 

 

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