東急不動産ホールディングス(東京都渋谷区)と順天堂大学(同文京区)が中心となり、昨年4月に立ち上げられた一般社団法人生涯健康社会推進機構(同渋谷区)。ロコモティブシンドロームの予防を目的に、同学大学院スポーツ健康科学研究科の町田修一教授が全面監修した「生涯筋活アドバイザー検定」の実施などを行っている。6月より受検を開始した同検定の活用が広がる。

 

 

自体重用いた運動で

 

同検定は、加齢による体力の衰えや筋力低下防止のための運動メソッドを気軽に学べる制度。6月にスタートした3級では、完全オンラインで健康寿命延伸のための必要な知識を習得できる。正しい知識を持つ運動指導者の育成を目指しており、現在約350名が取得している。

 

 

同検定の運動プログラムの特徴は「自体重」を用いる点だ。自身の体重を負荷とした運動であるため特別な器具や個人に合わせた調整などが不要で、「いつでも」「どこでも」「誰とでも」個人の身体に応じたメニューを行える。

 

全面監修を手掛けた町田教授は「特にコロナ禍で痛感したのは、指導者育成の必要性。ある程度やり方を理解している人がいれば、その人を中心に小さなコミュニティで運動が継続できる」と語る。

 

 

順天堂大学大学院
スポーツ健康科学研究科
町田修一教授

 

 

町田教授は、運動生理学をベースに研究を行ってきた。東急不動産との協業を通し、こうした知識を日常的なものとして一般に普及させることで健康寿命延伸を目指すべく、検定事業を立ち上げた。

 

「指導者にとって大切なのは、一人ひとりに適切な運動の継続を促せること」と町田教授は話す。リーダー育成の背景に大学の存在があることは重要で、有識者の「お墨付き」をもって指導に当たることができると受講者から好評だという。

 

 

3級では、骨格筋の基礎知識や運動のための身体の仕組みに関する知識など「生涯健康に過ごすための知識」を学ぶ。受検資格はなく、申込みから受講、受験まですべてオンラインで完了。テキスト教材を用いた講義の時間は2時間半で、テスト時間は45分。受検料は3300円(税込)。

 

 

また、産学連携ならではの特徴として、「オンラインの講習・検定でありながら双方向性を意識している」ことが挙げられる。「自体重」運動プログラムを実践する、東急不動産HDのシニア住宅「グランクレール」や東急スポーツオアシスのフィットネスクラブ「ラクティブ」での実際のデータを解析し、1~2年に1度の検定内容更新時に反映させる予定。日々大学で行われる最新の研究成果も反映し、常に新しい知識に更新し続けることが可能だ。資格取得後も、通信簿などで情報の最新化を図る。

 

同検定の活用について、町田教授は「運動の継続に壁を感じる方も、仲間とならできる。遠隔でもできる自体重トレーニングを用いて、指導者に多様なコミュニティを作るリーダーになってもらいたい」と語る。

 

 

今後は、東急不動産HD内にとどまらず、より公的なものとして、介護業界内や自治体などでの水平展開を行う方針。「中長期では、全国の地域住民の身近に筋活アドバイザーがいる状態を目指す。少人数のグループで継続的に行える場が町内単位で生まれることが理想」と町田教授。地域コミュニティを運動の力で取り戻したいとの考えだ。

 

なお、2級と1級の公開はそれぞれ、10月中旬、来年1月頃を予定している。2級では、座学と実技で実践の基礎を習得。1級では、トレーニング解剖学や評価学、症例ごとの運動プログラムを学び、実践の応用を習得する。受検料は2級が1万1000円、1級が1万6500円(税込)。1級受検は2級資格保有者のみ可能。毎年の更新が必要。

 

 

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