マロー・サウンズ・カンパニー(千葉県市川市)は同市、浦安市のほか、東京都葛飾区、江戸川区で居宅介護支援事業所を6拠点運営している。「単独型」での事業形態に振り切り、質の高いケアマネジメントを追求。福祉用具のあり方検討会や各種老健事業の委員活動、YouTubeでの情報発信なども行う田中絋太社長に話を聞いた。

 

 

マロー・サウンズ・カンパニー
田中紘太社長

 

 

教育拡充で質担保 公正中立性を追求

 

 

――事業概要を教えてください。

田中 総従業員数は40名。所属するケアマネジャーは1事業所につき2〜12名です。本部機能として、地域のリサーチや利用者の集計業務などを専属で担うスタッフもいます。12名のケアマネが所属する事業所「ダイバーシティ行徳」では、常時400名以上の利用者がいる状況。厚生労働省「令和2年度介護事業経営実態調査結果」によると、居宅介護支援事業所全体の収支差率がマイナス1.6%である中、当社の収支差率は全体平均を10%以上上回る水準です。

 

 

 

―― 安定経営の秘訣は。

田中 勝ちパターンは王道の方法に尽きると思います。1事業所につき少なくとも3名のケアマネを配置し、要介護の利用者をしっかりと獲得する。当社の場合、採算ラインを維持するには1人あたり30件は担当する必要があります。

 

そして、加算を確実に算定すること。当社では6事業所中5事業所で特定事業所加算Ⅱを算定しています。21年度の報酬改定で新設された「特定事業所医療介護連携加算」も3事業所で算定しており、来年中に全事業所での算定を目指しています。この加算ではターミナル期の人のケアマネジメントや入退院支援が求められていますので、病院との関係構築もより重点的に行っています。

 

 

 

――「単独型」の事業形態とした背景は。

田中 公正中立なケアマネジメントを提供するためです。業界におけるケアマネジメントの水準を上げたいとの考えから、「囲い込み」が疑われるようなケアプラン作成も基本的に受けません。個々のケアマネの意向やポリシーを尊重した運営を行えば、ケアプランに組み入れる事業者はおのずと多種多様になり、利用者にとって最適なプランに繋がります。

 

1人ひとりがポリシーを持って働く

 

 

 

――質の高いケアマネジメントのために、行っていることは。

田中 各事業所のスタッフ数に余裕があるので、手厚いスタッフ指導が行えています。月1回、オンラインで全事業所を繋ぎ全体研修を実施。事業者との情報連携の方法、困難事例の対応方法など、法定研修ではカバーされていないノウハウなどを共有しています。また、毎月スタッフが2人1組になり相互にケアプランや記録などをチェックし、書類の書き方を統一。教育体制の充実により、ケアマネ不足といわれる中でも毎年、新合格者数名を含め、安定的に採用できています。

 

 

 

――利用者負担導入などの論点もあります。今後の展開について教えてください。

田中 利用者負担が導入されれば、ケアマネ事業所は集金業務や会計方法の変化に対応すべくオペレーションを整理する必要が出てきます。事業所の負担は増えるので、小規模事業所の経営が厳しくなり、淘汰という流れも出てくるかもしれません。

 

当社では新規事業所を開設する際は、数年かけて候補地の介護事業者、医療機関との関係構築を進め、地域になじめるかリサーチを入念に行います。現在、江戸川の小岩地区や西船橋エリアを次の新規開設の候補地として考えています。内部留保をしっかり高め、経営基盤を強化しながら、地域に根差した着実な事業展開を行っていく考えです。

 

 

スタッフの離職はほとんどない

 

 

 

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう