帝人(大阪市)は、入退院調整支援サービスの3Sunny(東京都中央区)を完全子会社化すると発表した。10月15日までに全株式を取得する。帝人のヘルスケア関連事業は医療機器分野に留まらず、医療介護の多職種間情報共有システム、訪問看護専門情報サイト運営など、地域包括ケアを意識したサービスを拡大している。
3Sunnyのサービス「CAREBOOK」は、入退院調整業務をオンライン上で行うことができるクラウドサービス。
これまで病院間、または病院と介護施設との入退院調整における連絡手段は電話やFAXが中心。メディカルソーシャルワーカーや看護師、ケアマネなどにとっては、担当不在時の電話折り返し待ち、FAXのための紙出力、番号確認などの事務負担が少なくなかった。

事務負担が大きかった
クラウドサービスであるCAREBOOKを利用することで、複数の医療機関への一括打診、担当者同士のチャットによるコミュニケーション、書類添付などをオンライン上で実行できる。調整業務にかかる手間や時間が大幅に削減されることから、利用病院数が増加。現在、東京・大阪にある病院の内、約3割でCAREBOOKが導入されているという。
同社は帝人と2020年10月に資本・業務提携を締結していたが、帝人が持つリソースを活用することでさらなる成長が期待できると判断したことから今回の全株式譲渡に至った。今後も3Sunnyの社名・サービス名などは継続し、経営陣も残る。