やさしい手(東京都目黒区)は、看護小規模多機能型居宅介護事業所「看多機かえりえ成城」を9月1日に開所した。
世田谷区では用賀に続いて同社2棟目の物件となる。併設する「訪問看護かえりえ成城」との連携により、医療ニーズの高い人も、安心・安全な介護生活を支えられる仕組みとなっている。

世田谷西支社吉田慎一郎支社長(左)・高田直子副支社長兼支配人(右)
「看多機かえりえ成城」では、自宅から事業所の看多機に通える「通いサービス」、事業所内に宿泊することができる「宿泊サービス」、さらに看護・介護スタッフが自宅を訪問する「訪問サービス」の3つを柔軟に提供する。
「看多機は定額制。回数に限りがないため、適切にサービスを受けられる。また利用者の状況に合わせ、サービスの組み合わせが可能で、自由度が高いサービスを受けられる点が、利用者とその家族にとって好ましい」と世田谷西支社吉田慎一郎支社長は説明する。

レベルにあった食事が提供される
看多機の利用は登録制で、最大登録人数が29名。うち日中事業所へ通所する定員が18名で、宿泊の定員が9名(個室)となっている。費用は要介護3の場合、1割負担で自己負担額が概ね2万8000円。2割負担の人で同5万5000円となる。
「診療報酬改定により、入院した中等度の患者が短期間で退院をせざるを得ない流れへと変わりつつある。こうした患者を受け入れ看護を中心とした集中的ケアと状態の経過観察を行い、在宅生活を安定して過ごせるように支援する」と看護師の高田直子副支社長兼支配人は語る。

モニタで全館の情況をチェックする
さらに看多機の利用により、安定して在宅生活を送れるようになり卒業した人には、一般在宅サービスの利用にもつなげる。在宅での生活を継続するには、介護・医療双方でのサービス提供が不可欠になってくる。
「地域の医療機関と連携し、定期的な利用者のカンファレンスの実施、疾患状態の迅速な相談を医療機関と行うことにより、看護師のみでは補いきれない部分の補填を行っていく」と吉田支社長。これにより、「病院から在宅への橋渡しの役割」を看多機が担うことになる。
同社では世田谷区において、訪問介護事業、居宅介護支援事業、通所介護事業、福祉用具貸与事業、住宅改修事業、さらには自費サービス事業、家政婦事業と在宅生活を支える様々なサービスを展開している。自宅に住まいながら看多機と訪問介護サービス双方を利用することで、医療ニーズへの対応を可能とし、医療介護の連携を図りながら地域包括ケア拠点としての機能強化を図る。