一般社団法人日本デイサービス協会(東京都千代田区)は来年3月15日「第2回日本デイサービス協会が選ぶデイサービス5選2023年」を開催する。エントリーはすでに開始しており、今回も賑わいを見せそうだ。主催する森剛士理事長に、イベントの趣旨や目指すものなどについて話を聞いた。

森剛士理事長
「デイ5選」今年も 業界ロールモデルに
――イベント立ち上げの趣旨について、改めて聞かせてください。
森 介護サービスの運営事業者については、寡占化が進んでおらず、数多くの中小事業者がそのほとんどを担っています。例えば地方のデイサービス事業者にも、素晴らしい取り組みを日々実践しているところがたくさんあります。そうした事業者にスポットライトを当て、取り組みを紹介したいと考えたことがきっかけです。
「5選」に選出された事業所は、全国のデイサービス事業所のロールモデルとして注目されます。取材や当協会役員による見学などが入るほか、職員のモチベーションアップにも繋がります。そうしたことを通して、業界内での横のつながりが生まれることが、何よりの変化になるのではと思います。
――昨年の「5選」は。
森 総エントリー数は1191事例。うち1次審査で16事例が選ばれ、さらに2次審査にて5事例が選ばれました。選出事業所は
▽池田介護研究所(青森県八戸市)の無添加お弁当二重まる一番町
▽ウェルフューチャー(東京都千代田区)のブルーミングラボ小田原浜町
▽ベストリハ(同板橋区)のベストリハ板橋大山
▽ワイズスポーツ&エンターテイメント(同世田谷区)のワイズ・パーク
▽タブノキ(長野県小諸市)のみんなの家タブノキ
それぞれ、共生型、地域交流、社会参加、科学的介護の実践など、変革が求められる介護業界のロールモデルにふさわしい取り組みを行っている事業所です。選出されることにより、日本で5社しか使用することのできない「デイサービス5選」認定ロゴをホームページ、パンフレット、名刺などに活用できます。
惜しくも「5選」を逃してしまった1次審査通過の事業所も、当協会HPで紹介動画を公開しており、取材や見学を受けるなど活躍しています。
――今回の選考について。
森 9月27日よりエントリーシートの受付を開始しており、締め切りは11月30日。
1次審査は書類審査で、この段階でもすでにアピールに長けた事業所もあります。アピールポイントを言語化できることも、実際のサービスが利用者本位で質が高いことも、どちらも重要です。好事例の収集・発信は社会的にも必要です。多角的な視点で選定したいため、自薦・他薦問わず是非とも参加してほしいとの考えです。1次審査の結果発表は12月8日、「5選」の最終発表は23年3月15日を予定しています。
――デイサービスの果たす役割とは。
森 地域包括ケアシステムの確立において、在宅サービス3本柱の1つであるデイサービスでは、レスパイトケアの充実に加え、自立支援の推進を通じて、利用者本位の社会保障制度改革の実現を目指さなくてはなりません。
当協会では、24年介護報酬改定に向けた議論についてもさまざまな提言を行うなどしながら、事業者の持続可能性を踏まえたよりよいサービスの可能性を探求していきます。