矢野経済研究所(東京都中野区)は10月17日、国内の介護ロボット市場規模の推移、予測を発表した。それによると、2025年度は21年度比で約66%増の約36億円まで拡大する予想だ。
ニーズ反映の製品、普及拡大をけん引
調査は、移乗支援や移動支援、排泄予測などの排泄支援、浴槽への出入を補助する入浴支援、見守り支援などの機能を持ち、介護現場での使用が想定されているロボットを対象としている。
21年度の介護ロボット市場規模はメーカー出荷金額ベースで21億7500万円、前年度比12.1%増となった。コロナ禍で外出自粛の傾向があることから、施設向け排泄予測ロボットなどが好調に推移している。22年度には26億4600万円、同21.6%増となる見込みだ。
市場拡大の条件と可能性については用途によって異なる。それぞれの用途・タイプごとに参入企業の顔ぶれは変わり、それらを幅広くカバーするような市場参入は少ない。矢野経済研究所はユーザーニーズを反映させた新製品や新機能を持つ製品が上市されている用途での市場拡大が期待される、と見解を示した。
また、23年度以降は、そうしたユーザーニーズを反映させて機能や価格を見直している介護ロボットの新製品が市場拡大をけん引。介護ロボットの導入が進むことで市場全体の普及に向けたステージが一段上がるとした。
この調査は今年5~9月に国内の介護ロボットメーカーや販売会社、それらを応用したシステムの取り扱い企業、関連団体などを対象に実施。調査方法は同社専門研究員による面談、電話やeメールによるヒアリング、並びに文献調査。

出展:矢野経済研究所