一般社団法人全国介護付きホーム協会(東京都港区)は10月17日、「介護付きホーム研究サミット2022」を開催。

第10回目となる事例研究発表全国大会のグランプリは、ファインケア(さいたま市)の「ファインケアガーデン清瀬」が受賞。経鼻栄養の入居者の望みを叶え、経口摂取を実現した事例が高い評価を得た。

 

 

第10回事例発表会 3年ぶりリアル開催

 

3年ぶりのリアル開催となった同大会でグランプリに輝いたのは、ココカラファイングループ傘下のファインケアが運営する「ファインケアガーデン清瀬」。「介護付きホームだからこそできる寄り添うケア〜経鼻栄養から経口摂取へ、QOLが向上した事例〜」と題し発表した。

 

脳皮質下出血の手術後、認知症もありリハビリが進まず退院になってしまったS氏は入居時、1日中ベッド上で叫び、鼻腔チューブの自己抜去などが見られた。本人の声に耳を傾け、「チューブを取りたい」「食べたい」「トイレに行きたい」との要望を多職種協働で支援。入居後約3ヵ月で経口摂取が試され、その4ヵ月後には食事開始となった。おむつはリハビリパンツに変わり、本人の様子に応じてトイレ誘導を実施。S氏には笑顔が戻り、叫ぶこともなくなり、トイレ時の手すりにつかまっての立位保持も可能になったという。

 

同ホームの発表者は「定員27名の小規模な施設で、一人ひとりのケアを大切にして取り組んだ結果だと思う」と述べた。

 

 

 

準グランプリに選出されたのはSOMPOケア西日本第一業務部。「入居後早期の困難事例発生の未然防止策の検討」として、入居時の施設主体的な「説明」を見直し、入居前に本人の伝えたいメッセージを対話により「聴き切る」といったアプローチを組織全体で実施した事例が評された。

 

ほか、優秀賞を受賞したのは

▽ニチイケアパレス「ニチイホーム鷺沼南」

▽社会福祉法人緑山会「悠久の里」▽ツクイ「ツクイ・サンシャイン新倉敷」

▽社会福祉法人こうほうえん「ケアホーム西大井こうほうえん」

▽ベネッセスタイルケア「ボンセジュール湘南台」

▽さわやか倶楽部「さわやかさがみはら館」

▽アズパートナーズシニア事業部介護サービス企画セクション

▽アライブメディケア「アライブ代々木大山町」

の8組。

 

 

また、特別講演にはシナ・コーポレーションの遠藤功社長が登壇。「自ら考え、実行する『非凡な現場』の作り方」と題し、「思いがあるから知恵が出るし、工夫する。思いは〝改善〞の原動力であり、経営目線では思いを伝える作業が非常に重要」と語った。

 

 

受賞した10組の登壇者ら。表彰式の様子

 

 

 

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