ワイツーエム(埼玉県上尾市)は設立以降8年間でお泊りデイサービス、訪問マッサージ、児童発達支援、放課後等デイ、住宅型有料老人ホームと事業を多角化してきた。増田康彦社長は当初、介護の知識・経験がなく事業を始め、立ちはだかる壁も多かったという。

「既存事業でぶつかる課題を解決する手段として、新事業を拡大していった」と語る増田社長に、事業多角化のポイントについて聞いた。

 

 

増田康彦社長とお泊りデイサービス「いこいハウスあげお東」

 

 

 

お泊りデイから拡大

 

――比較的短期間で事業を広げていますね。

2014年にお泊りデイで創業し、現在3事業所運営しています。その後、2年目以降に訪問マッサージ1事業所、3年目以降に児童デイ4事業所・7年目以降に住宅型有老3事業所、と領域を広げていきました。8年目の現在では職員110名以上を有する法人となっています。

 

 

――お泊りデイから、どのような経緯で次の事業に着手したのでしょうか。
私自身、以前は証券会社の営業マンだったため、はじめは投資の感覚でお泊りデイのFCに加盟。そこで介護業界の市場性を見込み、自社での運営にシフトチェンジしました。

 

まず立ちはだかった課題が職員の離職。機能訓練指導員としてリハビリ専門職など、週に1回、2〜3時間だけ働いてもらっていたのですが、短時間では彼らのたいした収入にはならないため、〝採用しては辞める〞という悪循環が続いていました。

 

そこで「彼らの仕事を生み出せばいい」と考え、訪問マッサージに着手。柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師などを雇用し、訪問をしてもらいながら空いた時間にデイの機能訓練も行ってもらうことで、離職の課題を解決しました。訪問マッサージの登録者のうち、デイの利用者は8割と、稼働率の相乗効果も図れています。

 

 

――では、次の児童デイはどのような経緯で始めたのでしょうか
それでもなお、事業の売上が伸び悩み、人材確保の課題は続いていたため、他社の事例を勉強してみると、「児童デイも運営することで、採用状況が改善された」という事例を発見。実際に児童デイを開設し求人を出すと、当時は1回の広告掲載で70名程の応募がありました。

 

そこで確保した職員に、介護事業所でも働いてもらうなどして、人材確保の課題解決を図りました。このように「新しい事業こそが、既存事業を効率化する」と実感しています。

 

 

――有老はなぜ着手したのでしょうか
同じように既存事業の問題解決のためです。お泊りデイの宿泊定員は日中の定員の半分以下と決まっているため、すぐ満員になり、ケアマネジャーに宿泊ニーズのある利用者の紹介をもらっても受け入れられない状況にありました。

 

そこで、低価格帯で入居できる住宅型有老の開始に至ります。約200平米の元コンビニ物件を月約20万円で借りられるという好条件で契約。約1200万円で改修し、12部屋つくりました。生活保護の家賃補助額に鑑みて、家賃を月4万3000円、食費・管理費を4万8000円と低価格で設定。デイの利用者の多くが入居を決め、開設して1ヵ月で満員となりました。

 

当社では老人ホームの紹介事業もしているので、低所得者の入居相談を多く受けます。富裕層がターゲットの入居施設はレッドオーシャンですが、生活保護者や低所得者向けの施設はブルーオーシャンと見ています。

 

 

――今後の展開は
病院を改修した物件で、4棟目となる住宅型有老を今月新規開設予定です。また、食の視点を加え、就労支援事業など農福連携を始めるべく2300平米の農地を借り、土壌作りをしている段階です。食を見直しながら、新たな課題解決に向け動いていきたいです。

 

 

11月開設の住宅型有老外観

 

 

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