今年4月に東証スタンダード市場に上場したエフビー介護サービス(長野県佐久市)。9月には栁澤秀樹前社長が退任し、栁澤美穂氏が社長に就任した。長野県を拠点に、福祉用具事業から在宅系・施設系サービスまで総合的に展開し、売上高は約93億円に上る。

今後の成長戦略をどう描いているのか、新社長に聞いた。

 

 

エフビー介護サービス
栁澤美穂社長

 

 

上場により採用力強化 首都圏への進出、構想

 

 

――新社長として、特に注力していく点は

栁澤 「すべては利用者様のために」の理念を実現するには、「職員の満足度向上」に取り組むことが最重要課題であり、ここから始めたいと思います。
昨年度から正社員登用を積極的に進め、1200名以上いる職員の離職率は10%以下になりました。さらに、人事考課制度の見直し、残業報告や週報の廃止など管理者への決裁権限移譲、経営方針書の見直しなど、この社長交代を機に着実に進めています。

 

年間休日は、現在108日ですが、来期は115日に再来期は120日に増やす方針です。ほかの大手企業も年間120日が多いため、そこに標準を合わせ、離職防止とともに新卒の獲得につなげます。23年度入社の新卒は13名内定しており、24年度入社の新卒採用の目標は20名。年収は変えずに毎月の給与額を2割ほど上げるなど、給与・賞与体系も見直し、採用につなげたいと考えています。

 

 

 

――職員の育成はどのように進めますか

栁澤 介護事業部の中に「キャリアデザイン事業部」という教育専門の部署を新しく配置し、教育を強化します。研修件数は、3年前と比べ5倍に増えている状況。職種・レベル別にカリキュラムを組み、特に営業ナレッジの共有を図ることで営業力の強化、地域のシェア拡大を目指します。

 

 

 

――外国人人材の採用にも注力しています

栁澤 ベトナム・フィリピンの看護学校と提携し、これまでに約40名採用。今期にはさらに10名程増える予定です。技能実習生が特定技能に移行する時期に入っており、特定技能であれば「1人あたりの年収が約60万円上がる」と具体的に給与を示し、きちんと評価することで流出防止を図っています。月5000円の資格手当や介護福祉士実務者研修のWEB講習の活用も進め、ゆくゆくは介護福祉士資格を取得してもらえるよう本格的に動いています。

円安の影響で、外国人人材は日本を選択しづらい状況。今いる人材が働き続けられるよう、フォローする必要性を強く感じます。

 

 

 

――光熱費・食費などの物価高騰にはどう対応していますか

栁澤 今月から管理費と食費の引き上げに踏み切り、利用者や家族、職員などに説明しています。全体で年間約5000万円の料金引き上げとなっています。

 

 

――「5年後に売上高200億円を目指す」としていますが、その成長戦略は

栁澤 M&Aによる拡大を構想中。自社での新設は、来年の3月に長野県や埼玉県にGHなどを計3ヵ所、再来年にも2ヵ所開設しますが、それ以降、新設は小休止。前社長は自社での新設が中心でしたが、職員と利用者を獲得できるM&Aに軸足を置いていきます。

 

上場前に比べ、世の中に出回る前のM&A情報が当社に入ってくるようになりました。首都圏進出も視野に入れており、その足掛かりとして、買収額数億円規模の法人でも負債がなければ譲受を検討。関東以外の案件では、当社の展開エリアとシナジーが得られる条件で検討します。既に今月、東京都多摩市で訪問看護など9拠点運営する法人の子会社化を決定しています。

今後、3~4年できちんと採算がとれるよう、M&A事業部をつくることでより重点化を推進。エリア拡大に伴い、9エリアそれぞれにエリア長を据え、事業の統括・職員の育成を行っていきます。

 

 

 

――なぜこのタイミングで社長交代に至ったのでしょうか

栁澤 上場して半年が経過し、今期の決算が見通せる時期に入りました。より企業価値を高めるべく、職員の指導経験もあり現場に精通している私に父が託した形です。今までの良い部分は踏襲しつつ、社長になったこのタイミングで、新しい取り組みにチャレンジしていきます。

 

 

外国人人材も積極的に採用

 

 

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