訪問入浴を主軸に在宅系の事業を展開するミライフル(青森県八戸市)。2014年創業時からランチェスター戦略・ドミナント戦略を実践し、訪問入浴において八戸市のシェアナンバーワン。2年前には離職率約60%という危機に直面したが、現在は半減。事業展開と人材戦略について張間翔社長に聞いた。

 

張間翔社長

 

 

“30人の壁”の離職率改善

 

――なぜ訪問入浴から事業を始めたのでしょうか

張間 八戸市で介護事業を始めるにあたり市場調査を行い、事業所数が7ヵ所ほどと少なかったため、訪問入浴を開始しました。後発参入組でしたが、市場を細分化しミクロな市場でシェア1位を獲得する「ランチェスター戦略」を実践。現在、2ヵ所運営し車両台数は4台と、八戸市では一番多く、登録者は約100名となっています。

 

他社に先駆けてマイクロバブル発生装置の導入や、道が細い市内の状況に鑑みて小型福祉車両の採用、重度者でも体重が測れる浴槽の導入など差別化を図ってきました。

また、訪問入浴で市内シェア1位になってから、その強みを糧にほかの事業の展開を進めました。現在はドミナント戦略で市内に訪問介護、居宅介護支援事業所、訪問看護、サービス付き高齢者向け住宅など計7事業所を運営しています。

 

 

入浴の研修の様子

 

 

――人材の確保はどのようにしていますか

張間 2年程前、いわゆる〝30人の壁〟にぶつかり、離職率が約60%になった時期があります。「適切な評価制度がないと人が辞める」と痛感し、あしたのチーム社の人事評価制度・クラウドを導入し、明確な評価基準、それに伴う正当な昇給や昇格ができる仕組みをつくりました。管理職の場合、年収480万円以上得られる報酬体系を構築。インセンティブ制度も採用し、評価が高い職員には最大70万円のボーナスを設けています。

 

一般的に、離職の大きな原因に「人間関係」がありますが、当社では「悪口・ネガティブな発言は禁止。違反者は退職」というルールがあります。残念ながらそれを理由に年4~5名の退職者がいますが、これは「良い退職」と管理職も認識しており、同じ志を持った仲間と成長していきたいため大事にしている点です。

ほかにも、「無駄な残業は禁止」「飲み会断りOK」など社内の独自ルールを明文化することで社風の浸透、採用時のミスマッチ防止を図っています。

 

 

――主体性ある職員を育成するポイントは

張間 養成校を運営しているので、資格取得費用は会社が全額負担し、未経験でもしっかり育てる体制を構築しています。それもあり9割がリファラル採用で、20~30代の同年代の職員が多いです。

 

一方、介護スキルの研修よりも、現場職員も対象にした経営知識を高める研修が多数あります。PLは全職員に共有することで、パート職員にも「何にコストがかかっているか」といった理解につながります。正社員は1ヵ月ごとに自身がいくら稼いだか計算。「給与を上げるためには、要介護度4の利用者を週に何回訪問しなくてはいけない」など考え、〝稼ぐ力〟を身につけています。

 

また、3ヵ月ごとに最も評価を得た事業所には賞状や商品券を渡す社内表彰制度をつくりました。事業所ごとに売上・離職率などを競い合い、結束力・モチベーションを高めています。現在、離職率は半減しましたが、さらに低くするための工夫を続けていきます。

 

 

――今後の展望は

張間 6~7年以内に売上10億円達成が目標。分社化し、1億稼げる会社を10社つくるべく、現在はM&A仲介事業、障害福祉事業など計4つの新プロジェクトを進行中です。

 

 

「失敗しても良い」社風を大事にする

 

 

 

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