東京都大田区では今年4月、区内の福祉人材確保とスキルアップを目的に、福祉管理課内に大田区福祉人材育成・交流センターを設置。研修の実施などに加えて、事業所やサービス種別、支援分野を超えた「横のつながり」をつくることを目指す。

 

 

 

重層的支援体制へ複合的な課題対応

 

2022年度の主な活動内容は次の3点。

①福祉人材育成研修

②eラーニングによる研修環境の整備

③区内福祉支援者同士の横のつながり強化による職場定着支援の実施

 

 

①は福祉の基礎、社会人としての基盤といった入門的な内容から、OJTの基本や人材育成スキル向上のための研修や多機関・多職種連携を推進するための研修など、参加者のニーズに沿って行う。高齢者福祉の従事者、障害者福祉の従事者などが、1つのテーマについてそれぞれの専門職の知見から意見交換を行う。

 

②では、区内事業所で働く職員がいつでも研修を受講できるeラーニングシステムを導入する。内容は①と同じく福祉の基礎から、専門性の高い内容を揃える。eラーニングは今年度中には運用が始まる見込みだ。

 

③においては、事業所で働く若年層や経験の浅い人などに向けた交流会を実施。具体例として10月14日に実施した交流会では「リフレッシュ」を主な目的に、ゲームやクイズなどの企画を通じて親睦を深めた。

 

 

これらは、福祉に関わる従事者から「現場職員でも事業所外の人との横のつながりが欲しい」という声を受け、職員間の交流を促す内容に設定された。

福祉人材育成・交流センター設置の背景について、長谷川正福祉管理課長は「区が進める重層的支援体制整備事業の流れの中で、その基盤を成す人材の力を高める目的で設置しました」と語る。

 

国では20年6月の社会福祉法の改正で重層的支援体制整備事業を創設。これは包括的相談支援、参加支援、地域づくり支援を一体的に実施し、8050問題やヤングケアラーなど複数の分野にまたがるような課題への対応を可能にするもの。区市町村ではその実現に取り組むこととなった。

 

「区はこれまで、高齢者、障害者、児童福祉への取り組みを行っていますが、それぞれの担当課が独自に行っている状態でした」(長谷川課長)。

そこで、それらを重層的支援体制整備事業に紐づけて再整理。そしてこの事業を効果的に推進していくために、▽デジタル化の促進・個人情報の保護▽人材の確保・育成・定着▽権利擁護の推進を三位一体で進めることを決めた。その内、人材確保、育成、定着を担うものとして、今回の福祉人材育成・交流センターが設置された。

 

 

同センターでは今後、福祉に関わる人の横のつながりの強化を通じ、複合的な課題を抱える人がスムーズに必要な支援を受けられる体制をつくっていく。

 

 

 

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