北九州市でゲストハウスの運営などを手掛けるポルトは、地域の活性化に向けた取り組みとして、高齢者の就労促進を図っている。それが介護予防につながり、社会保障費の抑制にも貢献すると話す菊池勇太社長に、同社で高齢者がどのように活躍しているのか話を聞いた。

 

ポルト 菊池勇太社長

 

 

介護予防に貢献

 

――はじめに北九州市の高齢化の状況について教えてください
菊池 日本の都市の中では高齢化が顕著に進んでおり、特にゲストハウスのある門司区ではおよそ40%に達します。門司港は戦前から、炭鉱の積出港として栄えていましたが、その衰退に伴って高齢化も進みました。今後、要介護状態の高齢者がさらに増加すれば、市の財政が逼迫していくでしょう。さらに、この地域の高齢者には個人事業主が多く、引退後は年金のみの収入だと家計が苦しいという事情もあります。高齢でも就労できる場所が求められています。こうした課題感から、介護予防や生きがいづくり、経済的にも高齢者に働いてもらうことが必要だと考えました。

 

 

――ポルトで高齢者はどのような仕事をしているのでしょうか
菊池 ゲストハウスで3名の高齢者がパートタイムで働いています。頻度は週3回、4時間程度。ゲストハウスの業務には大きく分けて、チェックインの受け付けなど宿泊客と直接接する業務と清掃などの表に出ない業務の2種がありますが、高齢者の場合は基本後者を担当。裏方的な業務といっても、見送りなどで宿泊客と接する機会もあります。また、ゲストハウスのスタッフは孫世代に当たる人がほとんどであり、世代を超えた交流が生まれています。

 

 

――ゲストハウス以外の就労先もあるのでしょうか
菊池 バナナジュース専門店「てるちゃんのバナナジュース」などがあります。そこでは70代の高齢者、私の母が店員をしています。門司港では台湾から輸入されたバナナの内、船上で熟れ切ってしまったものをたたき売りする光景が名物として知られていました。土地の名物を活かしつつ、加工に大きな手間が必要ないこと、私のために母が昔よく作ってくれていたことなどから、バナナジュースを販売するに至りました。

このように地域の文化的背景、高齢者の存在を含めて「ストーリー性」をデザインすれば、商品の付加価値を高めることができます。そしてほかの地域からの観光客がそれを目当てに訪れることで、地域経済も活性化します。
来年には同じく高齢者が活躍する和菓子店をオープン予定です。

 

 

――取り組みの今後について教えてください
菊池 地域の資源を活かしつつ高齢者が活躍できる事業をつくることは、門司だけでなく全国各地で実践できると考えられます。また、高齢化に伴う社会保障費の増大という課題は全国各地共通であるため、弊社が行っている取り組みを各地の特色に合わせてローカライズした上で全国に発信、輸出していきたいです。

 

 

菊池社長の母、照代さんが働くバナナジュース専門店。就労は介護予防に加えて、自立した生活を続けるための収入源になる

 

 

 

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