アゼリーグループの社会福祉法人江寿会(東京都江戸川区)は1日、リハビリテーションに力を入れたデイサービス「アゼリーリハビリ倶楽部」をリニューアルオープンした。最新機器の導入に加えて、転倒時の骨折リスクを低減する床の導入など、積極的にリハビリに取り組める施設となっている。

 

 

左から新名勝之研究開発部長、来栖宏二代表、濱野誠統括

 

 

 

同事業所はリニューアルに伴い定員125名の大規模型に転換。主な利用者層は要介護12までの軽度者を想定している。車椅子を使わず、自分の足で歩くことができる期間を最大限に延長することを目指す。


特色として打ち出しているリハビリでは、PTなど専門職が4名在籍し個別機能訓練を提供。パワーリハビリマシン、イノフィス社のマッスルスーツ、TRX社のサスペンショントレーニング機器などを用意した。利用者は様々な運動ができるため、飽きずに利用を継続できる。そして機器によるサポートで運動動作の反復を正しく行えることから、専門職がついていない状態でも効果的なリハビリを可能としている。

管理者の濱野誠統括は「ケアマネジャー向けの内覧会では、特にマッスルスーツなどの機器が好意的に受け止められた」という。

 


また、入浴では4つの浴槽をプライバシーに配慮した形で設置。自宅に近い環境を用意して介助でき、入浴介助加算に対応する。

 

 

サスペンショントレーニング機器

 

 

 


衝撃約4割軽減 怪我の不安解消

 


コンセプトが積極的に身体を動かすことであるため、利用者が活動中に転倒し事故につながるリスクが増すことも考えられる。そこで床材には転倒時の衝撃を吸収する安全床を全面に採用。

 

これは凸版印刷( 東京都台東区)が開発したもの。硬質層と発泡層の2層構造が床下地として設置されており、通常時は一般の床と変わらない硬さだが、転倒した場合には硬質層が荷重を分散しつつその下の発泡層が変形し衝撃を約4割軽減する。利用者は転倒による怪我の不安を軽減できるため、安心して運動できる。

 


アゼリーグループの来栖宏二代表は、「安全床はスタッフの負担を軽減する効果も大きい」と話す。転倒骨折による事故で利用者家族とトラブルに発展した際、問題が解決するまでに25年程度かかるケースも多い。転倒しても骨折させない安全床による工夫は、スタッフの離職リスク低減にもつながる。
このデイの床面積は671.2平米。安全床の導入で通常の施工費用より200万円ほど上乗せとなった。来栖代表は「相談員が離職し、新たな人材を確保・教育する費用と比較すればそれに見合う価値がある」と考える。
加えて、今後ソニー社のAIカメラを各所に配置し、転倒が発生した場合の状況分析、再発防止に役立てる予定。

 

 


海外展開視野に今後もコラボを

 


凸版印刷の安全床はテスト販売の段階。同社の新名勝之研究開発部長によると「福祉施設で全面的に導入されるのは日本初」であるという。江寿会は同社と安全床の効果についてデータ収集し、学会などの場で成果を発表することを目指す。


来栖代表は「高齢者が骨折すると予後が問題となる。医療費も嵩み、その規模は日本全体で見れば1兆円に上ると考えられる」とし、高齢者の骨折防止が社会保障費を低減する意味でも重要であると述べる。また、同様の問題は国内だけでなく、今後急速に高齢化が進展するアジア地域全般にも共通している。そこで凸版印刷と協力し同社のネットワークを活かすことで、安全床と共にアゼリーグループ式の介護をアジア地域で展開することも見据えている。同グループでは外国人人材の雇用を進めていることもあり、「海外展開の折にはその人材の活躍が期待される」と来栖代表は話す。

 


同事業所は今後、障害者も受け入れる共生型にする予定。定員の内35名程度まで障害者の利用割合を増やす。グループではこの事業所から3キロメートル圏内に、特養、ケアハウス、保育園など3つ事業所を運営しており、それらと連携しドミナントで展開。地域密着で全世代に向けた福祉を提供していく。加えて、凸版印刷のような、メーカーとのコラボレーションも積極的に行う意向で、技術や商材の研究・開発の場としても活用する。

 

 

マッスルスーツ

 

 

 

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