「行政の権限行使に是正求める」

 

湖山医療福祉グループの社会福祉法人カメリア会(東京都江東区)が運営する特別養護老人ホーム「つばめの里・本町東」は11月16日、渋谷区に対し損害賠償等請求を行う記者会見を開いた。物件の建築・所有者である渋谷区が同施設における虐待を認定し、改善計画書作成を求めたことなどに対し、約3200万円の損害賠償及び改善計画書の作成義務がないことの確認を求める。

 

 

虐待の通報を受け、区が調査を開始したのは今年6月。当初の調査範囲は4階部分の2ユニットであったが、徐々に対象が拡大。3フロア計8ユニットに対する調査が3ヵ月にわたって行われた。

 

10月、区は調査結果とともに改善計画書の作成指示を発出。結果の詳細は、「介護世話の放棄・放任」として▽足の爪が指の裏まで伸びている利用者が複数名いる▽利用者が髭剃りの介助を希望しているにもかかわらず伸びた状態が続いている▽水分提供が適切に実施されていない――など。また「心理的虐待」として特定の職員による利用者への威圧的発言も挙げており、これらは高齢者虐待防止法第2条第5項第1号ロ及びハに当たる。

 

 

原告訴訟代理人の深澤勲弁護士、片山律弁護士両名は「元の虐待の通報内容も開示されず、立入調査が任意であることも知らされなかった。法人内のヒアリングでは虐待と認定できるものはなく、心理的虐待の認定要件である『著しい』暴言・対応の客観的根拠を確認したくとも対応がない」と言及。

また、「爪が指の裏まで伸びていると写真が示されたが、1㎝未満で丸く伸びているもの。爪白癬など医療処置を要する人もおり、一概に介護放棄というのは乱暴ではないか」とも語った。

 

聴聞の機会もなく行政が虐待を認定したことに対し、提訴を行った本件。同法人はこの目的として▽介護職員の名誉のため、誤った事実認定を正したい▽同業者にも類似のケースがあり、行政の権限行使に是正を求める▽自治体と介護事業者との透明公正な関係を育む指定管理者制度を望む――の3点を挙げる。

 

 

記者会見の様子

 

 

 

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう