厚生労働省は10月31日、第100回となる社会保障審議会・介護保険部会を開催。今回の議題は、「給付と負担について」。次の2024年度介護保険制度改正をめぐる協議の中で、右肩上がりの介護費を賄っていくあり方を、改めて議論した。

 

 

これまでを踏まえ、給付内容の適正化に関する項目が挙げられた。具体的には、

①第2号被保険者(40歳以上64歳以下)の対象年齢引き下げ、第1号被保険者(65歳以上)の年齢引き上げなど被保険者範囲・受給権者範囲

②補足給付における不動産の勘案など給付の在り方の見直し

③介護老人保健施設、介護医療院の多床室の室料を保険給付の対象外とする見直し

④ケアマネジメントへの利用者負担の導入

⑤軽度者(要介護1・2)への生活援助サービス等の総合事業への移行

⑥「現役並み所得」「一定以上所得」の判断基準の見直し

⑦高所得者の1号保険料の負担の在り方

――を挙げ、それぞれの必要性を計った。

 

 

 

このうち論点の1つであるケアマネジメントについて、利用者負担を導入すべきか否か、議論が交わされた。

 

濱田和則委員(日本介護支援専門員協会副会長)は、「現行給付の維持・継続」を重ねて要請した。「利用者負担が生じると、サービスの利用控えが生じる恐れがある。結果として早期発見や対応に遅れが生じ、個々の利用者に応じた総合的なサービスによる支援が阻害される」と指摘。また、小林司委員(日本労働組合総連合会総合政策推進生活福祉局長)は、「障害者総合支援法の計画相談支援は公費。このこととの整合性から慎重に検討すべき」とした。

 

 

一方で、井上隆委員( 日本経団連専務理事)の「今後の社会保障を支えていくためにも経済の成長が必要。そのために現役世代の負担を減らしていく努力も求められている」と意見。河本滋史委員(健康保険組合連合会専務理事)は、「給付と負担のバランスをとる踏み込んだ見直しを実施すべき。他のサービスと同様の利用者負担を導入すべき」との考えを示した。

 

 

また、軽度者への生活援助サービス等の総合事業への移行についても議論が交わされた。
現状に対しては、保険給付の増加を抑制する観点から地域支援事業へ移行すべきとの賛成意見もある一方、慎重な対応を求める声も多く上がった。

 

小泉立志委員(全国老人福祉施設協議会副会長)は、「サービスの検証がなされないまま総合事業へ移行する議論を進めるのは、時期尚早」と強く反対。これに先んじて、10月21日付で厚労省老健局に8団体共同の意見書を提出したと紹介した。合わせて、小林司委員からは、「市町村によるサービス給付や負担額の格差など、生活援助サービスを利用できなくなることが懸念される」などの意見が挙がった。

 

 

厚労省は、これらの件に対しての結論を年内にも出す予定としている。

 

 

 

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