オーバード(仙台市)は、認知症共生社会づくりを目的に、小規模多機能型居宅介護事業所を中心とした地域住民とのつながりを生み出す活動を実施している。利用者に地域の中で「役割」が生まれ精神的な安定感をもたらし、周辺症状の軽減につながっている。

 

 

同社では、小多機「マイムケア」と「マイムケア長町」のほか、サービス付き高齢者向け住宅1棟、訪問介護事業所2ヵ所、居宅介護支援事業所を運営。同社では、特に認知症ケアに力を入れる。小多機利用者は、平均要介護度は1.3〜2.7程度だが9割が認知症の人となっている。
林久美部長は「認知症の人が地域の輪の中で暮らせるようにする支援に取り組んでいます」と語る。

 

ケアで重視するのが利用者に役目を持ってもらうこと。林部長は「認知症の問題行動の原因には、色々な行動が抑制された結果、感情面で『モヤモヤ』がたまってしまうこともあると考えています」と言う。そうした情緒の不安定さを解消する糸口が、社会の一員としての活動だ。

 

法人の利用者は様々な活動を通じて役目を持つ。人々とのコミュニケーションを通じて情緒の安定につながるために問題行動が少ないという。例えば、小多機の日中の活動では、料理や洗濯、掃除などに利用者が参加する。事業所の地域交流スペースには駄菓子屋を開設。コロナ禍前には店番を行うこともあり、地域の子ども達を見守る役目があった。

 

昨年には法人外の人も参加するNPOを設立。活動の場を法人の外にも広げている。その1つとして小多機隣接のガレージを使い、1回300円でコーヒーの焙煎体験会を開催。利用者が焙煎したコーヒーをドリップバックにして体験者にプレゼントする作業を週3回程度行っている。

ドリップバックを作る利用者

 

こうした取り組みもあり、地域からの信頼を獲得。1棟目に開設した小多機マイムケアの利用者の登録率は約9割と高い水準を維持している。利用者の周辺症状が少ないためスタッフの負担も軽減。持続可能な運営となっている。

 

 

今後は、学生アルバイト採用などを通じ、より多くの人と認知症の人が関わっていく地域づくりを進める。

 

 

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