徳島県でデイサービスや訪問介護、放課後等デイなど計7事業所を運営するquattro(徳島県松茂町)。事業所同士の連携に取り組み、徳島県全体の福祉サービスの質向上を目指している。関東で大手介護会社に勤務していた経験やノウハウを活かし、ネットワーク拡大に努める四宮俊生社長に話を聞いた。

 

quattro 四宮俊生社長

 

 

――他事業所との連携の重要性を感じた経緯は

四宮 関東の大手介護会社で働いていた際は、自ら地域の連絡会を立ち上げて他法人とも交流する、近隣の事業所と研修会を開いて困難事例などを共有する、職員の交換をするなど積極的に他事業所との連携を行ってきました。

しかし地元の徳島県へ異動となった際、サービスの構図が関東と大きく異なることに気が付きました。例えば、松茂町において病院は1ヵ所、居宅介護支援事業所は2ヵ所のみ。
1つの法人内だけでサービス提供が全て完結してしまう狭いサービス構図であり、当時は事業所同士の連携がほとんどない状態。地域の人々にとっては、幅広い選択肢の中から自由にサービスを選べる環境が必要です。地域の福祉や介護のネットワークが広く結びつけば県全体のサービスの質が向上していく、と考えるようになりました。

 

 

ノウハウを開示 見学を受け入れ

 

――どのようにネットワークを広げていったのでしょうか

四宮 関東は意欲ある人が多く集まり、交流の場や機会が豊富で、集まる情報も多いです。一方、徳島で連携を他事業所に働きかけても〝他法人には手を貸さない〟という会社が多く、最初は苦労しました。まずは徳島県介護支援専門員協会に入り、人脈を広げて自分の考え方を広めていきました。現在では積極的に事例共有し合うなど、徐々に連携の考えが広がってきたように思います。近隣の事業所同士で顔が見える関係になると、ちょっとした連絡や日頃の情報交換がしやすくなるもの。それが地域のサービス全体の底上げにつながっていきます。

 

 

 

――運営するデイの特徴は

四宮 「アタマの体操×カラダの体操」をコンセプトにした地域密着型デイや、KUMON式学習療法を取り入れた認知症対応型デイを運営。特に認知症対応型は基本報酬が高い一方、一般的には集客が難しいとされていますが、コンセプトを明確に打ち出すこと、機能訓練や学習療法の成果を利用者や家族、ケアマネジャーにもフィードバックすること、適切なタイミングで営業を行うことなど、広報力を高めて稼働率を上げ、定員はほぼ満員となっています。

ネットワークを広げる観点から、見学も積極的に受け入れており3ヵ月に1回程、県外からも見学が来ます。3ヵ月で黒字転換する経営手法などノウハウはフルオープンにし、人材教育などに関するコンサル事業も手掛けています。

 

 

――デイザーデイザービスで注力する点は

四宮 外部講師等に月15万円かけるなど、研修費にはコストを割いています。特に対人スキルを高める研修が重要と考え、職場内コミュニケーションや企業イメージを高める接遇など、毎月内容を練って実施しています。また、当社では美容関係や元営業マンなど異業種からの採用を積極的に推進。さらに子連れ勤務やダブルワークも可能にするなど、多様な人材が交流を通じ活躍できる環境をつくっています。働き方への臨機応変な対応も企業存続の要です。

 

異業種からの人材も積極的に採用

 

 

 

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