関西を代表する高級高齢者住宅
介護業界で毎年話題になる大型M&A。今年の関西では、綜合警備保障(ALSOK・東京都港区)が、6月6日に関西電力子会社の介護事業者かんでんジョイライフ(大阪市)・かんでんライフサポート(大阪府枚方市)の2社(※いずれも社名は当時)を子会社化したことが大きな話題となった。取得価格は非公表。ALSOKは近年、介護業界での大型M&Aをいくつも仕掛けていたが、これにより介護事業では関西初進出となる。
かんでんジョイライフは2000年の設立で高齢者住宅14棟を運営。特に「ベルパージュ」は入居時自立の場合、一時金が2000万円以上と関西を代表する高級ブランドとなっていた。一方のかんでんライフサポートは3棟の高齢者住宅を運営。
17年に京阪グループより関西電力がM&Aで取得している。
.jpg)
「ベルパージュ大阪上本町」外観(写真はALSOKジョイライフホームページより)
9月1日はニチイホールディングス(東京都千代田区)が、ポプラコーポレーション(大阪府豊中市)ほか関連2社を買収した。
同社は、北摂の有力社会福祉法人である池田さつき会のグループ企業として2004年に設立。
サービス付き高齢者向け住宅9 棟のほか、デイサービス、ショートステイ、訪問介護などを展開。サ高住はアクティビティ・イベントが多彩であることなどが高い評価を得ていた。また、来年2月に兵庫県川西市で、4月に大阪府箕面市でサ高住の新設を予定しているなど、業界内でも「元気な一社」として知られていた。
-300x185.jpg)
2月オープン予定の「シュールメゾンポプラ川西畦野」(写真はポプラコーポレーションホームページより)
それに先立つ3月31日には、ニチイホールディングス傘下のニチイ学館がプラティア(大阪市)を子会社化しており、ニチイグループの関西での存在感が急速に増している。プラティアはグループ企業を含め大阪などでグループホーム20ヵ所、有料老人ホーム3棟のほか、訪問介護やデイなどを運営。
16年より投資会社J-STAR(東京都千代田区)が運営するファンドの傘下になっていた。
人材難からくる採用コスト増、食材やエネルギー費の値上がりなど、介護事業者にとって厳しい経営環境はしばらく続くと思われる。
24年4月の報酬改定の動向によっては一気にM&Aが加速することも予想される。