静岡銀行協力で普及に弾み
介護相談サービスの一般社団法人日本顧問介護士協会(以下、顧問介護士協会/静岡市)は、静岡銀行(同)が主催する「第2回しずぎんアイデアコンペティション『ジョイントLAB.』」において、同行との連携先として選定された。今後は静岡銀行と連携して、地域の課題解決に取り組んでいく。
「しずぎんアイデアコンペティション『ジョイントLAB.』」は静岡銀行が持つリソースを活用した事業創出を通じて、同行や地域の課題解決を目指す協業プログラム。第2回目となった今回の募集テーマは「サスティナビリティ」「ダイバーシティ&インクルージョン」を実現させるためのアイデアで、応募総数は67件。うち3件が連携事業者に選定された。
顧問介護士協会は2020年4月に設立。社会問題となっている介護離職の予防など、企業従業員の介護にかかわる不安や困りごとをLINEや電話などを通じて、ケアマネや介護福祉士など介護専門職に気軽に相談ができるサービスを展開。
従業員数50名までで月額5000円からという低価格で提供していることもあり、上場企業から小規模法人まで福利厚生としてサービスを採用するケースが増えている。サービス開始2年ほどで契約先は約40社。11月には金融機関として初めて、しずおか焼津信用金庫(静岡市)が採用した。
今回のコンペにおける審査でも「銀行の取引先企業にとっても従業員確保という面から潜在的ニーズがある」「高齢化が進展する中、介護をキーワードに企業に対する福利厚生サービスを提供するビジネスは銀行との親和性が高い」という評価を受けている。
365日対応と、手軽なチャットツールが使えるということもあり、親の介護などを考え始める初期段階から介護のプロに相談できる点は、その後の介護サービス利用までのハードルが下がると言えるだろう。また、一般企業としては介護・医療が絡む問題については専門的な助言が難しい。すでにサービスを利用している企業からは「アウトソースできることで総務部門などの負担軽減にも繋がっている」といった声が挙がっているという。
今後、静岡銀行の取引先などに広く周知されることで、利用企業が増えることが予想される。顧問介護士協会の石間洋美代表は「介護相談のほか、介護に関するセミナーなどを積極的に開催し、広く介護についての情報提供をしていきたい」と話す。
また今回、顧問介護士協会以外に選定されたのは、対話型AI面接サービスのタレントアンドアセスメント(東京都港区)、データ・AIを活用した見守りサービス構築などのJDSC(同文京区)の2件。