2022年12月16日に開催された全世代型社会保障構築本部において厚生労働省より、『介護職員の働く環境改善に向けた政策パッケージ(案)』が示され、処遇改善関連加算の1本化に向けた検討を進めることが表明されました。

 

全国介護事業者連盟において、この半年間ほど最も注力して要望活動を進めてきた内容であり、大変嬉しく思います。

現在、処遇改善関連加算は「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」「介護職員等ベースアップ等支援加算」の3種類です。職員の処遇改善に大きく寄与している加算であるものの、提出するべき計画書や実績報告書は膨大である上に3種類あることから、現場の事務負担は大変重くなっています。更には制度が複雑なため、現場の職員に改善金額が正しく伝わらず、改善の実感が得難いなどが長年指摘されていました。

 

 

今回示された『政策パッケージ案』においては、「事務手続きや添付書類の簡素化を進めるとともに、加算制度の1本化について検討を進める」「取得要件である職場環境等の要件について、生産性の観点から見直しを検討する」「加算を未だ取得していない事業所も一定程度存在することから、こうした事業所における給与体系の構築等も含め、着実な取得率の向上を図る」と記されています。具体的な検討は、来年に介護給付費分科会において議論されることになります。

 

現場の誰しもが望んでおり、是非とも実現してもらいたいと思いますが、他方で加算の1本化を行うことは、簡単ではありません。3種類の加算はそれぞれ目的も制度の立て付けも異なることから統合には様々な課題が生じます。

 

 

今後、1本化が実現することになり、新たに創設されることになる加算の設計において重要なポイントを5点指摘したいと思います。

 

①本来の趣旨である職員の処遇改善についてベースアップを含めて確実に実現できるようにすること。

②職員の専門性を考慮した処遇改善が行えるようになること。

③加算の仕組みをシンプルにし、職員が処遇改善の実感を持てる分かり易い仕組みとすること。

④介護現場の書類負担を軽減し、ケア時間を充実させること。

⑤居宅介護支援のケアマネジャーなど加算の支給がされていない職種にも配分できるようにすること。

 

 

これらを踏まえた上で検討が進められることを切に望みますが、現実的に1本化が可能となるのか?2本化に留まるのか?現状のままなのか?これからの議論のゆくえを注視するとともに、全国介護事業者連盟において、しっかりと現場視点での要望活動を続けてまいります。

 

 

 

斉藤正行氏 プロフィール
2000年3月、立命館大学卒業後、株式会社ベンチャーリンク入社。メディカル・ケア・サービス㈱の全国展開開始とあわせて2003年5月に同社入社。現在の運営管理体制、営業スキームを構築し、ビジネスモデルを確立。2005年8月、取締役運営事業本部長に就任。2010年7月㈱日本介護福祉グループ副社長に就任。2018年4月㈱ピースフリーケアグループ代表に就任。2018年6月、介護業界における横断的・全国的組織となる一般社団法人全国介護事業者連盟を結成。㈱日本介護ベンチャーコンサルティンググループの代表を務めている。

 

 

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